2006年に発行された北朝鮮の旧5000ウォン紙幣。2009年の貨幣改革で廃止されている。©Numismatic Coins & History

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北朝鮮国民の10人中7人が、ほぼすべての家計収入を市場での活動から得ているとの調査結果が発表された。

米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は、特別研究プロジェクト「ビヨンド・パラレル」(38度線を越えて)の一環として、北朝鮮国民36人に対面でアンケート調査を行った。

国営企業は給料払わず

その結果、72%にあたる26人が、ほぼすべての家計収入を市場での活動で得ていると答えた。また、75%以上の収入を市場から得ている人は36人中35人に達した。残りの1人も収入の半分から7割を市場で得ていると答えた。つまり、国営企業や国の機関から得られる給料、配給で生活を維持している人は皆無ということだ。

また、北朝鮮での暮らしに何が影響を与えているかを問う質問で、北朝鮮政府と答えたのは36人中6人に過ぎず、国外からの影響と答えたのが30人と多数を占めた。

この報告書では、ソウル大学が2015年にソウル在住の脱北者113人を対象に調査した結果も合わせて紹介している。

それによると、75.3%が商売を含めた市場での活動に関わっていたと答えた。また、そこで得られる1カ月の収入は「10万北朝鮮ウォンから50万北朝鮮ウォン」と答えた人が43人で最も多く、「50万〜100万北朝鮮ウォン」が36人、「50万〜100万北朝鮮ウォン」が34人だった。(100万北朝鮮ウォンは約1万3000円)

一方、国営企業や国の機関などの勤務先からもらう月給で最も多かったのが、「皆無」の80人で、以下「5000〜1万北朝鮮ウォン」が52人、「1000北朝鮮ウォン以下」が7人、「1万〜10万北朝鮮ウォン」が4人となっており、「50万〜100万北朝鮮ウォン」「50万〜100万北朝鮮ウォン」はそれぞれ1人しかいなかった。

ちなみに、デイリーNKが調査した6月末のコメ1キロの価格は、平壌で5800北朝鮮ウォン、恵山(エサン)5900北朝鮮ウォン、新義州(シニジュ)6000北朝鮮ウォンだ。また、現在の北朝鮮で家族4人が1日3食をきちんと食べ、衣食住に大きな不足がない生活を営むのに必要な金額は、毎月400元(約6590円)から700元(約1万1530円)となっている。