「保護犬を迎えるって難しいんじゃない?」公平な目で考えてみよう

犬を家族に迎えたいと考える時、日本では一番多くの人が最初に頭に浮かぶのはペットショップに行くことでしょう。犬に関して知識のある人、犬種にこだわりのある人ならブリーダーを訪ねることを考えるかもしれません。

そして少しずつ増えつつあるのが、愛護センターや保護団体から家族のいない犬を迎えるという選択肢。でもまだまだ敷居が高いと感じたり、自分には無理そうという方も多いかと思います。保護犬って本当に難しいのかどうか、考えてみましょう。

「保護犬は難しい」確かに!

保護犬というのは、なんらかの理由で前の飼い主が手放して愛護センターや保護団体が保護しているから、そう呼ばれるわけです。また中には捨てられた犬が子犬を産んで、人に飼われたことがないまま保護されたという犬もいます。

持病があるからとか、躾ができないからというような理由で手放され、その後も適切なケアや躾をされないまま過ごしているような犬であれば確かに犬を飼う初心者には難しいでしょう。先に書いたような人に飼われたことがない元野良犬も犬の性格によっては難しい場合もあります。

もちろんそれは犬の責任ではありません。自分勝手な理由で犬を捨てたり、必要な躾や訓練を怠ったのは飼い主の落ち度です。けれど、犬を飼うなら保護犬をと考えているけれど犬については初心者という人は、保護犬の中にはそういう難しい犬もいるということは心しておかなくてはいけません。力量に合わない犬を引き取ると、人も犬も不幸になる場合もあるのです。

「保護犬は初心者向き」これも真理!

保護犬と一口に言っても、自治体が運営している愛護センターや保健所で過ごしている犬もいれば、保護団体の施設で暮らしている犬、預かりボランティアさんの自宅で普通の飼い犬と同じように暮らしている犬など様々です。

そしてもちろん犬の出自も多種多様です。保護団体でスタッフやボランティアの人からトレーニングを受け、オスワリやマテなど基本的なコマンドやトイレの躾が済んでいるような犬ならば、初心者にとっては子犬を迎えるよりもずっと楽でしょう。
預かりボランティアさんの自宅で暮らしている犬ならば家庭で過ごすための躾はできている場合もあります。また犬のことでわからないことや悩みが出た場合、保護団体や預かりボランティアさんに相談することができる場合が多いのも初心者には心強いでしょう。

保護されている犬が家庭に迎えられればセンターや保護団体の施設または預かりボランティアさんの自宅に次の犬を保護する空席ができるので、殺処分になるかもしれなかった次の犬を保護することができます。つまり保護犬を一匹家庭に迎えることは、その犬の命と保護の空席に連れてこられる次の犬2匹の命を救うことにつながるのです。ちょっと素敵でしょう?

じゃあペットショップの犬なら難しくないのか?

初心者が犬を家族に迎える時、ペットショップの犬なら難しくないのでしょうか?ペットショップの子犬たちは幼すぎる週齢で母犬や兄弟から引き離され流通に乗せられて、情緒に問題が出てしまったり身体が弱ってしまっている場合もあります。
そういう、初心者には難しいパターンの保護犬同様に難しい場合もあるのです。そして何より、心身ともに健康な子犬だとしても、子犬を育てるのは人間の赤ちゃんを育てるのと同じくらいの手間や労力が必要なことは知っておかなくてはいけません。

飼うこととは別の難しさもある

保護犬を引き取ること、実は飼う前の段階で保護団体などから「残念ながら条件に不適格です。」と言われてしまう場合もあります。年齢が高すぎるとか、小さい子供がいる、留守番の時間が長過ぎるなど、基準は団体によって様々です。「せっかく保護犬を迎えようと思ったのに」と悔しい思いになるかもしれませんが、保護団体の人は犬たちがもう二度と悲しい思いをしないようにということを優先しているので、そこは理解してあげてくださいね。愛護センターなどは基準が緩い場合もありますし、個人で保護活動をしている人は融通が利く場合もありますので、他のルートを探ってみるというのも手です。

それでもやはり断られるとしたら、それは客観的に見てどんな犬とも暮らすのが難しい状況なのだと諦めることも犬への愛でもあります。そんな時には保護団体でのお散歩ボランティアや預かりボランティアなどに参加するという保護犬との触れ合い方もありますので考えてみてくださいね。

まとめ

「保護犬」と一口に言っても、保護された状況や保護されている場所、以前の飼い主との関係など、そのバックグラウンドは千差万別です。ですから「保護犬を飼うのって難しい」と言うのも犬の状態によっては本当のことです。

一方で保護団体やボランティアなどで一通りの躾が済んだ成犬などは、子犬から全ての躾を自分でするよりも敷居の低い初心者向けとも言えるので、保護犬が必ずしも全部難しいわけではありません。
譲渡の条件と折り合いがつかないなど、飼うこととは別の難しさもあるのですが、ボランティアに参加することで犬との触れ合いができるのも保護犬ならでは。

最後に、躾などが済んだ状態で初心者に嬉しい犬でも、その後のケアや責任の重さは皆同じです。ペットショップの子犬でも、ブリーダーから引き取った犬でも、保護犬でも、楽して飼える犬なんていないということは付け加えさせてくださいね。