アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、現地で話題のフードやライフスタイルを紹介してもらいます。今回は、面倒な夏の草取りから解放されるアメリカ流ガーデニング・アイデアをお届けします。


アメリカ人でもしんどい芝の手入れ

ハリウッド映画やご近所モノTVドラマでおなじみ、アメリカ西海岸の住宅街といえば、家と道路の間にきれいな芝生が敷き詰められているイメージがありませんか? あれ、じつは管理するのに、大変な手間がかかっています。週末にお父さんがゴツい芝刈り機でウイーンウィーンと轟音を響かせながら、芝を刈って回る姿は、古きよきアメリカの風物詩でした。

しかし、エコな考え方が浸透している、ここシアトルでは年々、きれいな芝生の管理に欠かせない農薬や除草剤、殺虫剤の使用をひかえる傾向にあります。そうなると、雑草をいちいち手で抜かなくてはなりません。さらに、暑い時期は頻繁な水やりがないと、すぐに茶色くなってしまい、スプリンクラーなどそれなりの設備や仕組みが必要です。そうした手入れの煩雑さから逃れるように、芝生をはがして土を生かすガーデニングに切り替える家庭が増えています。エコなガーデニングにはウッドチップが大活躍


もちろん、土に戻したところで雑草が生え放題であることには変わりません。ナチュラルな除草剤や防虫剤も出てきていますが、効果はそれほど。そこで人気なのが「ウッドチップ(バークチップ)」を使ったマルチング(土の表面を覆うこと)です。

これは松などの樹皮を細かいチップ状にしたもので、ガーデニング用品を扱う店で手に入ります。土の上に厚さ5cmくらいを目安に敷き詰めて使うのですが、雑草や害虫を減らすだけでなく、土の温度を一定に保ち、土の水分の蒸発を防ぐために水やりの回数も減らせるなどいいことずくめ。

庭の見た目もぐっとオシャレになるので、花壇などに部分的に使ってアクセントにするのもいいでしょう。その際、植木の場所だけ穴を開けた薄い段ボールや土に還るシートを敷いてから、それが見えないようにチップを盛るやり方にすると、マルチングとしてはさらに効果的な場合があります。ウッドチップの香りが雨季の終わりを告げる


ちなみにシアトルでは、10月くらいから5月くらいまで、長い雨季が続きます。たっぷり雨水が染み込んだ土の上に、街のあちこちで新しいウッドチップがふんわりとかけられ、独特の木の香りが漂ってくると、「雨の季節もそろそろ終わりかな」と、気分が明るくなります。

ウッドチップはガーデニングだけでなく、子どもたちが遊ぶ幼稚園の園庭や遊具のある公園でもよく見られます。落ちても転んでも、クッション代わりになるので安心。かさが減ってきたら取り替えどきですが、1、2年はキープできますよ。【Noriko】
アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ〜日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産〜』(海外書き人クラブ刊)