アスペルガー症候群は男性が多いため、女性の診断は症例も少なく診断されにくくなっています。男性とは特性も違う、女性のアスペルガー症候群についてまとめました。

社会性が育ちやすい女性は診断されにくい

発達障害のひとつアスペルガー症候群。コミュニケーション力や社会性、想像力に問題があり、言語障害や知的障害はありません。そして、同じアスペルガー症候群であっても、その人の特性には個人差が大きく、人により症状は異なります。

一般的に、アスペルガー症候群は、男性に多いとされています。男性に多いのは、コミュニケーションが苦手なタイプ。そのため、こういった代表的な特徴は、男性のアスペルガー症候群を例にされたものでした。その診断基準に従うと、女性のアスペルガー症候群は診断されにくいのです。また、女性は男性と比べると、幼少期に社会性やコミュニケーション能力が育ちやすいという特徴があり、それも、女性が診断されにくい要因のひとつと考えられます。

注意しないと性的な被害にあうケースも

幼少期にアスペルガー症候群の特徴がわからなくても、成長すると同時に人間関係での悩みが出てきます。特に女性は、男性よりも複雑な人間関係になりやすい傾向があります。
中高生になると、女の子同士で長時間話すこともしばしば。いわゆるガールズトークですが、たくさんの情報が速いスピードで飛び交うので、アスペルガー症候群の人にとっては苦手な状況です。アスペルガー症候群の人は、自分の興味のある話では一方的にしゃべってしまい、興味のない話ではうまく相づちを打てず、また、相手の表情を読み取ることが苦手なので、空気の読めない発言をして相手を怒らせてしまうことも。通常、こういったことを経験すると、そこから人間関係や社会性を学ぶものですが、アスペルガー症候群の女性はそれがなかなか身につきません。
男性に対しても同様で、初対面の男性に声をかけられ、そのままついて行ってしまう場合も。男性が女性に声をかけるというのはどういうことなのか、また「食事をおごる」などの言葉の裏にどういった思惑があるのかなどを察知するのが困難です。そのため、性的な被害にあってしまうアスペルガー症候群の女性もいます。

生きづらさから二次障害にも

アスペルガー症候群は、症状に個人差があり、自己判断は難しいもの。アスペルガー症候群の女性は、不眠や倦怠感など自律神経失調症のような症状がでることも多くあります。男女ともにアスペルガー症候群の人は、通常の生活は送れるものの日常に生きづらさを感じます。せめて病院で診断を受けることができれば、まわりの人に説明し理解してもらうよう働きかけることも可能です。しかし、自分でもなぜ生きづらいのかがわからないと、つらさは解決されず、強いストレスを感じます。それにより、うつ病や摂食障害などの二次障害をおこすこともあります。もし、日常に生きづらさを感じたら一度、各都道府県にある「発達障害支援センター」に相談してみましょう。本人はもちろん、家族や関係者も相談が可能です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと