殺人虫、細菌、自然災害…夏のレジャーは死の危険と隣り合わせ

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 強い毒性を持つ外来種「ヒアリ」が国内の各地で見つかり不安が高まっているなか、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、10日後に女性が亡くなったというニュースが報じられた。これまでSFTSは草むらにいるマダニに噛まれることで感染すると考えられていたが、今回の女性のケースはマダニに噛まれてSFTSウイルスに感染した野良猫に噛まれたとみられる。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、こう警鐘を鳴らす。

「マダニに噛まれてSFTSに感染すると、致死率は20%といわれています。もっと身近な害虫で怖いのは、ハチによる被害です。ハチによる死者は毎年20人前後、この10年間で通算200人を超えるほど。そのほとんどが、アレルギー反応であるアナフィラキシーショックなので、一度刺されると、逆に危険度は増します」(和田氏)

 ハチに襲われやすいのは、「黒い服」や「香水・整髪料」だ。

「ハチはテリトリーを形成して、敵が侵入すると攻撃する。自然界でのハチの天敵は熊なので、“黒=熊”と認識して襲い掛かるのです。黒い服はもちろん、帽子を被らず毛髪を露出しているのも危険です。また、香水や整髪料の匂いはハチを引き寄せてしまいます」(和田氏)

 そして、ハチに次いで死者が多いのがヘビだ。

「ハブは温度や光を感知して飛んでくる。石垣の隙間を住処にしているので、夜は近づかないように。また、実はハブより毒性が強いのがヤマカガシ。南方限定のハブと違い、全国の水辺に生息しているので、都内の公園にすら出現する可能性があります」(和田氏)

 この夏、海・山・川へのレジャーを楽しみにしている人も多いだろう。整備された公園や、キャンプ場、ゴルフ場といえども油断は禁物だ。

「夏の死亡事例で圧倒的に多いのが水難事故です。特に、釣りは危険と隣り合わせ。一見安全そうに見える堤防でも、高波でさらわれて消波ブロックの間に落ちてしまえば、まず助かりません」(和田氏)

 海・川での事故に続き、キャンプ場やゴルフ場、山なども死のリスクが潜んでいる。

「山の中だと熊の存在は無視できません。熊の生息範囲は年々広くなっていて、餌になる食料を与えてしまうと、近くにいる人間も同じ“餌”だと認識します。BBQでは、肉を掴んだトングや肉を切った包丁の使い回しは厳禁。カンピロバクターやo-157、腸炎ビブリオなどの細菌性食中毒の原因になります。汚れたまな板にも注意してください。また、ゲリラ豪雨が増えている昨今、ゴルフ場は落雷の危険性がますます高まっています」(和田氏)

 こうした注意喚起は現地の管理者が発信しているので、まず耳を傾けるのが何よりの防衛策となる。平穏な川辺も、上流でゲリラ豪雨が降れば一瞬で激流に変わる。近年、集中豪雨の頻度が高まり、管理者の指示を無視して死亡する事故が増えている。自然のなかでの素人判断は、自分だけでなく周囲の命も危険に晒すことを肝に銘じてほしい。

 7月25日発売の週刊SPA!では、「真夏の[早死に]ランキング」という特集を掲載している。夏といえば熱中症をイメージするが、真夏に早死にするリスクはそれだけではない。喉が渇くとお茶を飲む人や、風呂上がりに扇風機に当たる人、今年まだエアコンを掃除していない人も突然死する可能性がある。医師や専門家に危険度を採点してもらい、「真夏の早死にランキング」を作成した。正しい知識をつけ、この夏の猛暑を乗り切ってほしい。<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>