Rettyグルメニュース

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ライター紹介

杉村啓(むむ先生)

日本酒ライター、料理漫画研究家、醤油研究家。 日本酒の基本から歴史・造り方までを熱く語った『日本酒白熱教室』やタモリ倶楽部でも紹介された醤油の奥深さを書いた『醤油手帖』など、食に関する書籍を多数執筆。「むむ先生」として食のコラムや紹介を各メディアで担当。8月末には、グルメ漫画の半世紀を辿る新著『グルメ漫画50年史』を発売予定。・ブログはこちら

 

Rettyグルメニュースをお読みの皆様、はじめまして。「むむ先生」こと、杉村と言います。醤油の本やお酒の本や料理漫画グルメ漫画に関する本を書いていたりします。

・白熱日本酒教室

・醤油手帖

今回から「むむ先生の”食"超解説シリーズ」として、食の、特に調味料にまつわるあんな疑問やこんな疑問に答えていく記事を書かせていただくことになりました。しばらくおつきあいのほどをよろしくお願いします。

1回目のテーマは「関西の淡口(うすくち)醤油、なぜ醤油で違いが生まれるの?」です。

5種類の醤油、全部言える?

和食には欠かせない調味料「醤油」。実は、いくつか種類があります。もっとも一般的なのは「濃口醤油」と呼ばれるもので、そのシェアは醤油全体の85%近く。圧倒的ですね。色が濃く、香りも強いものです。

主に関西圏を中心として、調理に使われるのが「うすくち醤油」です。漢字では「薄口」とはあまり書かず、「淡口」と書きます。これは「薄口」とすると味や塩分が薄い、減塩醤油と勘違いされてしまう可能性があるため、「淡口」と表記するのです。実際の淡口醤油は、濃口醤油よりも塩分濃度が濃いので、誤解がないようにしているのです。シェアは13%ぐらい。濃口醤油と淡口醤油を合わせると、醤油のシェアのほぼ全てを占めているのです。

他にも「たまり醤油」「さいしこみ醤油」「白醤油」があります。これらの5種類が、農林水産省のJAS法(農林物資の規格化等に関する法律)で定義されている「醤油」なのです。

じゃあ、めんつゆは?たまごかけご飯専用醤油は?と思った方もいるかもしれません。それらの醤油をベースとした調味料は、「しょうゆ調味料」「しょうゆ加工品」というカテゴリに入ります。今度、自宅にある醤油やめんつゆのラベルを見てみてください。「名称:濃口しょうゆ」「名称:しょうゆ加工品」などとしっかり書かれているはずです。

濃口と淡口の違いはどうして生まれたの?

濃口醤油はもともと、江戸時代に江戸近郊で誕生しました。当時の関東、特に江戸の水はミネラルが多い硬水で、かつおダシをとるのに適した水質です。ただし、魚の旨味を抽出するだけではなく、同時に生臭さも一緒に抽出してしまう性質を持っていました。

その生臭さを消すために使われたものが醤油なのです。醤油には消臭効果があり、生臭さを消してくれます。お刺身に醤油が合うのも、生の魚の生臭さを醤油が消してくれるからなのですね。

生臭さを消すためには、それに負けない旨味や香りが必要です。そうして、どんどん醤油の色や香り、旨味が強くなっていき、濃口醤油が誕生しました。

では、一方の淡口醤油はどうなのでしょうか。淡口醤油は関西で生まれました。濃口醤油よりも少し後に、今の兵庫県龍野(たつの)市で誕生したのです。

関東の硬水に対して、関西は軟水でした。軟水は、昆布ダシをとるのに適しています。そして、あまり生臭みは抽出しません。となると、関東のものと同じように味も香りも濃い醤油を使うと、繊細な昆布の風味が消えてしまうことになります。そこで、色も淡く、香りも控えめの淡口醤油が誕生することとなりました。

淡口醤油の塩分が濃口より高い理由

淡口醤油は、なぜ色が淡いのでしょうか。簡単に言うと、醤油は発酵期間が長ければ長いほど、色が濃く、独特の醤油の香りが強くなっていきます。だとしたら、発酵期間を短くすればいいのです。淡口醤油は、濃口醤油に比べてもろみ(しぼると醤油になる、発酵するもの)に加える塩水を1割増しの量で加えて作ります。塩水が多い分、もろみが少し薄まり、色が淡くなるというわけです。

さらに低温で製造して、発酵期間や熟成期間を短くし、空気があまり入り込まないように注意することで、淡口醤油の淡い色合いが生まれるのです。

したがって、淡口醤油のほうが濃口醤油よりも塩分濃度が高くなるのです。そうしてできあがった淡口醤油は、昆布だしによくあい、色が淡いので素材の色を活かすことができる物となりました。淡口醤油はお刺身につけたりするつけ醤油、かけ醤油として使うのではなく、料理のために使われる醤油なのです。

というわけで、両者の違いは、生臭さを打ち消して旨味を足す濃口醤油と、素材の色合いを活かして旨味を広げる淡口醤油と覚えておきましょう。

 

 

むむ先生のイチオシ調味料〜醤油編〜

今回のお話で、醤油に興味を持った人におすすめしたいのが、町田にある「天忠」というお店。「日本一しょうゆ」というブランドで醤油を造っている「岡直三郎商店(群馬県)」の直営店です。

[Masahiro Ohharaさんの投稿より引用:https://retty.me/area/PRE13/ARE656/SUB2804/100000008917/23882022/]

卓上には、一番絞りや二段熟成(さいしこみ醤油)などがあり、自由にかけられます。

[meiyunさんの投稿より引用:https://retty.me/area/PRE13/ARE656/SUB2804/100000008917/19127563/]

ぜひ食べていただきたいのは、名物の「焦がし醤油フォンデュ」です! 醤油をベースとしたソースを鍋で焦がしながらさまざまな具材と絡ませて食べると、醤油の香ばしさとタレの風味がもう絶品!最後はご飯にかけていただいちゃいましょう。

 

https://retty.me/area/PRE13/ARE656/SUB2804/100000008917/

 

 

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