損害賠償請求額と実際に命ぜられる支払額に差が出る理由

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他人、あるいは家族であっても何らかの損害を相手に与えてしまったら、裁判で損害賠償が請求される可能性がある。こちらが誠意ある対応をしたとしても、相手側から損害賠償が請求されることもある。例えば住んでいるマンションで、水漏れ事故を起こしてしまい、相手に対して誠意ある対応をしたが損害賠償を請求された場合などだ。こういった場合、実際に支払われる額は請求した額と差があることも多い。「教えて!goo」では「過剰な損害賠償請求について」というタイトルで質問が投稿されている。

■過剰な損害賠償を請求されることもある。

質問者は、自身が居住するマンションで水漏れ事故を起こし、階下の住人に迷惑をかけてしまった。質問者としては、一般的に妥当と思われる誠意ある対応をしたようだが、階下の住人は納得せず、精神的な苦痛や動産の被害について損害賠償を請求している。この件について質問者は、過剰な損害賠償請求に当たるのか否かを聞いている。

「ここぞとばかりの、過剰な損害賠償要求は多いみたいですね。もっと法外な請求をする悪質?な人もいるみたいですよ。…(中略)弁護士に相談しても相談料も高いですしね。ここは悔しいとは思いますが…(中略)これからも上と下で住み続けるのなら、もめないほうがいいと思いますし」(AAABBBzzzさん)

「実損品と、実際に買い換えた製品を見ていないので、断言はしませんが…。確実に『実損品よりも高価な製品の場合は、支払う必要はない』ですね。分かり易く言うと、軽自動車が全損になったのでクラウンを新車で買った。クラウンの代金を払え! と、要求しているのと同じです。…(中略)ですから、過剰な損害賠償請求は『公序良俗に反する行為』となり違法とみなされるのです。…(中略)ただし、払わない場合は『近隣問題』が確実に起きます」(oskaさん)

「保険の方が対応はされないのですね。それなら弁護士より、行政書士に相談されたほうが相談料が半額で済みますよ。ともに法律の専門家です。被害にあった布団の実物を写真に収めがてら、見せてもらったらどうでしょうか? メーカーや品番から時価額が分かるのではないでしょうか」(ppp4649さん)

過剰とも思える損害賠償を請求されているようだが、今後の付き合いも考慮して相手の請求額を支払う方が良いとする回答がある一方で、過剰とも思える損害賠償請求額は支払う必要なしとする回答もあった。また、弁護士より報酬が比較的安価な行政書士に相談をすべきとしている回答もある。

■慰謝料や損害賠償には相場がある。

損害賠償の問題に詳しい星野法律事務所の星野宏明弁護士に話を伺った。

「判決で認定される金額の算出方法は、根拠となる請求権の内容により千差万別です」

例えば慰謝料はどのように決まるのだろうか。

「慰謝料などは、明確な基準はありませんが、ある程度裁判での相場も蓄積されており、過去の例から大きく逸脱した金額が認定されることはありません」

これまでに蓄積されてきた過去の判例から、ある程度相場が決まっているとのこと。確かにこれは納得である。では請求額よりも支払額が減額されてしまうのはどういうことだろうか。

「請求金額より減額されるのは、慰謝料などのように、裁判官の裁量評価に委ねられていることと、被告の反論によってそもそも原告の主張が過大であることが判明したことが原因です」

精神的な損害をお金で精算しようとするのが慰謝料である。人によってその額は変わらざるを得ないだろうが、それがあまりにも相場とはかけ離れていたり、そもそもその主張自体が過大だった場合に減額となるという。とはいえ、その人自身が本気でその額が妥当だと考えて訴訟を起こすことも十分考えられる。しかしこれまでの星野宏明弁護士の話を総合すると、それはあまり意味をなさないということだろうか。

「少なくとも請求額を大きく盛れば、最終的な判決の金額も大きくなるという関係にないことは知っておくとよいでしょう」

欲を出し過ぎて過剰な請求をしたとしても、裁判となった場合には、何の意味もなさないということだ。もし、損害賠償を請求された場合には、賠償額の相場を調べておく方がいいのかもしれない。最後に、請求する慰謝料を高額にすればするほど、その分印紙代がかかり、弁護士報酬も高額になる可能性もあるので、ご注意を。

ライター 与太郎

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