今も「原因不明の咳」に悩まされているという(2015年11月撮影)

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元AKB48メンバーで女優の島崎遥香さん(23)がツイッターで、「原因不明の咳」に悩まされていると明かした。島崎さんはぜんそくが持病で、AKB時代には症状が悪化して一時活動を休んだ経験がある。

そのうえで、こうした体の不調を周りに理解してもらうことの難しさを吐露した。実は家庭や職場で、自分の持病が相手に理解されず悩んでいるとの相談投稿が、インターネットの質問サイトには見られる。

「目に見えない症状には理解が得られにくい」

島崎さんは2015年8月から約1か月、ぜんそくの発作がひどくなり活動を休止した。当時の報道を見ると、その前から体調不良でイベントを欠席することもあった。

2017年7月23日付のツイートは、「心と身体が元気な人に不調を理解してもらうのはとても難しい」とある。そのうえで「ただ、理解してもらう必要性もないよ、そう言う人達に。悲しいけれど仕方がないことだとそう言い聞かせるしかない」と、少々諦めている印象だ。

島崎さんがどの場面で「とても難しい」と思ったかは不明だ。ただ島崎さんのように、持病で苦しんでいるのに周囲に理解されなかったり、持病を明かすと生活上の不利益を被るのではないかと恐れたりする人がいる。

例えば質問投稿サイト「ヤフー知恵袋」には2015年11月27日、持病について職場でどこまで話すべきか相談が寄せられた。投稿者の友人は介護職に採用されたが内臓に持病があり、3か月に1度通院して薬を服用している。生活に支障はないが、完治する病気ではない。ところが採用通知に「仕事に支障のある疾患がある場合は、解雇もある」と書かれていたので不安になったというのだ。この友人は前職で、持病が職場の同僚に知られた結果、病欠すると陰口を言われ、それが原因で退職したという。

厚生労働省は、持病を持つ人が、通院などの治療と仕事の両立を可能にする体制が職場で不十分なため、就労の継続や復職が困難になるケースがあると指摘。2014年3月には、こうした人の「治療と仕事の両立」を職場で支援するための留意事項やヒントをまとめたパンフレットを作成、公開した。具体策のひとつが、職場環境の整備・改善だ。持病を持つ人が働き続けられるように、労働時間の削減や業務の転換といった措置が必要としている。

加えて、持病を抱える人たちの主治医から「傷病そのものの理解が乏しい」、「目に見えない症状には理解が得られにくい」との指摘があるという。病気への正しい理解を促す職場教育も必要というのだ。

がん罹患でも同じ勤務先「上司・同僚の理解があった」

就労継続の問題で議論となるのが、がんだ。今日では決して「不治の病」ではなく、状態によっては治療により時間をかけて治していける。だが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2016年3月4日に公表した「がん治療と仕事の両立に関する調査」からは、厳しい現実が見えてくる。

調査対象となった男女978人は、がん罹患(りかん)時に正社員として勤務しており、調査時点で何かしらの形で就業を継続していた。罹患時の年齢は男性が40代と50代を合わせて85.7%、女性が30代と40代の合計が77.6%となり、働き盛りの世代ががんに襲われていた。

労働時間は、罹患後1年間は週40時間未満の割合が最も大きく、働き方については、「軽微な業務への転換や作業の制限など、仕事内容の変更」と「勤務時間の短縮」があったと答えた人が、それぞれ約2割となった。

一方、がん罹患後に転職・再就職した人が14%に上った。それまでの勤務先を退職した理由は「体力面から継続して就労することが困難であったため」「治療と仕事を両立するために活用できる制度が勤務先に整っていなかったため」が多かった。さらに、治療をしながら働く上で困難だった理由としては、再発への不安のほか、「治療・経過観察・通院目的の休暇・休業がとりづらい」が多く挙げられた。

一方で、がんになった後も同じ職場にとどまり仕事を継続できた人は、上司や同僚の理解と協力があったと答えた人が多かった。逆にこうしたサポートがないと、罹患前と同じように働くのが難しいという面も見えてくる。