誕生から30周年を迎えたフェラーリの名車「F40」 関係者が当時の開発を振り返る

【ギャラリー】Ferrari F4015


フェラーリ「F40」が7月21日で30周年を迎えた。フェラーリの創業40周年を記念して作られたF40は、同社史上最高の1台として挙げられるだろう。最高速度が200mph(約322km/h)に達した最初の市販車であり、創業者エンツォ・フェラーリが関わり、完成を見届けることができた最後のモデルだ。この歴史的なクルマのアニバーサリーを祝って、フェラーリはF40プロジェクトに関わった人たちから逸話を集め、開発に関する興味深い情報を公開した。


これらの話で特に印象的なのは、このクルマの開発に掛かった期間だ。当時、フェラーリで特別プロジェクトの責任者を務めたエルマンノ・ボンフィリオリ氏によると、F40はわずか1年と1ヶ月で開発されたという。デザインからエンジンに至るまでの全てが、構想から生産までわずか1年ちょっとし掛からなかったということだ。しかし、エンジンはゼロから設計されたわけではない。そのV8ツインターボは、実験用に試作された「288GTO エヴォルツィオーネ」の650psを発生するエンジンがベースになっている。このエンジンに多くのアップデートが施され、今日我々が知っている478psのエンジンとなった。ボンフィリオリ氏は、F40が「他とは違うことを示す小さな一例」として、オイルパン、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド、そしてトランスミッションのベルハウジングに「コストがアルミ合金の5倍も高い」マグネシウムを量産モデルで初めて採用し、軽量化を図ったと語っている。



ピニンファリーナのデザイナーだったレオナルド・フィオラヴァンティ氏が、エンツォ・フェラーリが構想するF40の計画について知ったのは、288GTOエヴォルツィオーネを運転した後のことだった。彼が288に関する自身の考えを述べると、エンツォは同氏に「本物のフェラーリ」を作りたいと語ったという。フィオラヴァンティ氏は、エンツォを含む全員がこれは創業者にとって最後のクルマになるだろうということが分かっていたと明かした。



フェラーリのテストドライバー、ダリオ・ベヌッツィ氏がF40について語った話を聞けば、これが最初は「本物のフェラーリ」とは言えなかったことは明らかだ。「最初のプロトタイプはハンドリングに欠陥があった」という。しかし、短期間の開発で、F40はエンツォが望むクルマとなった。「エンジンのパワーを制御し、ロードカーとして成立させるためには、全ての要素を数えきれないほどのテストによって改良する必要がありました」と語るベヌッツィ氏は、その特長として、高速で安定性を生み出す強大なダウンフォースと、鋼管フレームにケブラー強化パネルを組み合わせた、軽量で剛性が高いシャシーを挙げている。だが、一切の妥協がなく快適性も最小限に抑えられたF40は、誰でも簡単に運転できるクルマにはならなかった。「パワーステアリング、パワーブレーキ、電子制御デバイスがないため、ドライバーのスキルと責任が必要です。しかし、唯一無二のドライビング・エクスペリエンスを大いに味わうことができます」とベヌッツィ氏は語っている。

By JOEL STOCKSDALE
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

【ギャラリー】Ferrari F4015



■関連記事【ビデオ】フェラーリ「F40」で雪山キャンプを満喫!【ビデオ】フェラーリの名車「F40」でアルプス山脈の峠を攻める! 【ビデオ】二度と見られない! 60台のフェラーリ「F40」がコースや駐車場を埋め尽くす!!