Google検索の結果で「ズバリ回答」が出てくる世界は本当に幸せなのか? フェイク拡散との境界線

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Google検索で単位の換算や計算ができるのはよく知られている。
最近では、何か調べているときに行う通常の検索においても回答を出てくるようになってきている。
ふと、検索しているときに、ときおり一番上に回答そのものを表示してくれるのだ。

1つが「ナレッジグラフ」。
これは、事実やごく常識的な知識などが聞かれた(と判断した)場合に回答を表示してくれるもの。情報源は、Googleが信頼する複数の情報元だという。


「アメリカの大統領は」に対するナレッジグラフの回答


もう1つが「強調スニペット」。
この場合、ウェブ上のページから抽出された回答の概要をまとめたものが検索結果のトップに表示される。情報元はブロック表示の末尾に提示される。


日比谷駅での乗り換えについて検索した例


ユーザーとしては便利この上ない。
上の図の例であれば、急いで乗り換えの流れを知りたいとき、オリジナルのページに行かずに大まかな答えを知ることができるのは非常に助かる。

ただ、この2つ、同じような表示だが、ちょっと異なる。

◎スニペットは"検索結果"
もともと、Googleでは検索結果のリストに概要(説明文)が表示される。
これが「スニペット」だ。
さらに、Googleでは「リッチスニペット」として、2009年5月より、ウェブページの情報を解析し、ユーザーが検索結果として参照するかどうかを判断しやすいような情報(と推測されるもの)も合わせて表示するようになる。

たとえば店舗であれば、写真やレビュー、地図、Amazonのページであればレビューの数や評価など、付加情報として、ユーザーに有益なものとして提示されるものだ。

そもそもスニペットとは「断片」「切れ端」の意味。
それが転じて、プログラムコードの中でよく使うものを再利用できるようパーツ化すること、パーツ化したものをスニペットと言うようになる。ワープロソフトなどの入力補完機能のこともスニペットと呼ぶが、SEO分野では、検索結果のサムネイル(概要)を指してスニペットと言う。

強調スニペットとして表示される際のアルゴリズムなど詳細は明らかになっていないが、「その検索語で検索した人の多くがアクセスしたもの≒その質問の答え」として採用されていると推測できる。
同じ結果を求めているなら、もう表示してあげましょうということなのだろう。

この点が、強調スニペットは扱いが難しい。
スニペット、リッチスニペットの流れにあるもので、本来、検索結果を強調して表示するという扱いになる。
実際、SEOマーケティングの面から「どうすれば強調スニペットに採用されるのか」などの議論もされている。

◎「検索する」ってどういうこと?
こうした「回答を表示してしまおう」という動きは、Google検索エンジンでは2012年頃から本格的に始まった(ナレッジグラフは2012年5月から順次始まっている)。

いまのところ、検索する内容が「問い」であるという前提が必要なため、まだ出たり出なかったりという状況だ。もちろん、強調スニペットをスルーして、その下に表示されるURLを自分で見にいくこともできるし、強調スニペットで表示される内容に対してフィードバックすることもできる(これはナレッジグラフも同様)。ただ、トップに表示されてしまうと、つい見てしまうのも人間の心理だ。

Googleで検索されないページは、ウェブ上で辿り着けないともいえる今、さらに検索結果の1つ1つのページを飛び越えて、回答だけを得られる世界になるのだろうか? 

ユーザーとして手軽に知りたいことがわかるのは便利だが、大きな危惧も残る。
その情報の信頼性を担保するのがGoogleだけとなってしまうのではないか、という心配だ。

ナレッジグラフは信頼のおける情報元から提供されるものだが、強調スニペットは検索結果でしかない。必ずしも正確なものとは限らないわけだ。実際、アメリカなどではフェイクニュースと絡め、強調スニペットの危険性を指摘する声も上がっている。

当然だが、ウェブサイトにおけるフェイクニュース、虚偽情報対策と両輪で進むべきだ。フェイクニュースはやっと始まったばかりというところだが。

もちろん、使う側の私たちが検索結果/ウェブの情報を鵜呑みにしない、自分の判断基準を持つという、ある種のリテラシーが必要になる。


大内孝子