7月21日、欧州企業の業績見通しには明るさも出ているが、2年ぶり高値をつけたユーロが今後収益を圧迫する可能性がある。証券各社や投資家は、年初から資金流入が続いている欧州株式市場への影響を警戒している。写真はユーロ硬貨。ロンドンで2016年1月撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

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[ロンドン 21日 ロイター] - 欧州企業の業績見通しには明るさも出ているが、2年ぶり高値をつけたユーロが今後収益を圧迫する可能性がある。証券各社や投資家は、年初から資金流入が続いている欧州株式市場への影響を警戒している。

 トムソン・ロイターのデータによると、欧州の主要企業は収入の半分以上をユーロ圏外で稼いでおり、ユーロ高が進むほどユーロ圏外で稼いだ売り上げは打撃を受ける。今後1週間で本格化する欧州企業決算で、投資家はユーロ高の収益への影響を見極めようとしている。

 ドイツ銀行の試算によると、ユーロの貿易加重指数が10%上昇すると、STOXX600を構成する企業の1株当たり利益は5%減少する。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、Nandini Ramakrishnan氏は、景気の底堅さや企業業績の回復を踏まえると、欧州株式市場は引き続き最も選好する市場になるとみているが、最大懸念はユーロ高だと説明する。

 トムソン・ロイターのデータによると、今年の欧州企業業績は過去5年の低迷から大幅に回復し、利益の伸びは14%程度になると見込まれている。

 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が21日に公表した週間調査によると、19日までの週に欧州株式ファンドに190億ドルの流入した。

 前出のRamakrishnan氏は「ECBのテーパリングを踏まえると、ユーロは今後も上昇すると予想している。ただユーロ高が企業の収益の伸びに水を差すべきでない」と述べた。

 ドイツ銀行はリポートで「ユーロの貿易加重指数は4月中旬から6月末までに5%上昇しており、ユーロ高は今後欧州企業の収益を圧迫する」と指摘。

 さらに、モルガン・スタンレーによると、業績見通し引き上げと引き下げの割合を示し、アナリストセンチメントを測る数字は、11ヵ月ぶり低水準にとどまっており、金融セクターのみが業績見通しを引き下げていない。

 輸出企業は特にユーロ高の影響を受けやすい。工業株はここ2ヵ月下落してたが、7月の下げも2016年10月以来の大きさになる勢いで引き続き売られている。STOXX600指数も月初から1.3%下落。一方、自動車株は月初から1.2%上昇している。