日本中を騒がせているヒアリ 写真提供/岸本年郎氏

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 強烈な毒を持つヒアリが国内で相次いで目撃され、日本中がパニックに陥っている。攻撃性が強く、海外では刺されたことによる死者まで報告されているが、そんな危険な虫はヒアリだけではない!! ということで昆虫を研究する人々に聞いたところ「私も刺されました」という体験談が続出。その痛みやかゆみの伝わるルポをお届けしよう。

◆ヒアリにさされて30分後、全身にじんましんが広がった

 まずは、話題のヒアリ。そもそもヒアリに刺されると、どのような症状が出るのか。台湾でヒアリに刺された経験を持つ、昆虫分類学者の岸本年郎氏に聞いた。

「ヒアリが持つアルカロイド系の毒はハチが持つものと同様に、アレルギー反応が出ることがあります。正確な数字は不明ですがアメリカではこれまで100人以上が死亡しているようで、凶暴性も高く、一度刺されただけで死亡する場合もあるため、油断は禁物です」

 とはいえ、「殺人アリ」と恐れられるヒアリではあるが、アナフィラキシーショックが出るのは0.6〜6%程度で、死に至ることはまれなケースでもある。

「私の場合、ハチに刺されたような痛みを感じて気づき、30分ほどたつと、冷や汗や動悸が止まらなくなり、じんましんが全身に広がりました。病院で点滴を受けたら次第に症状はひきました」

⇒【写真】はコチラ(実際にヒアリに刺された腕) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1367483

◆刺された瞬間に大きな衝撃。オオスズメバチの恐怖

 ヒアリ報道にばかり目が行きがちだが、古来、日本に生息しているオオスズメバチこそが、攻撃力、凶暴性ともにもっとも危険だという。ハチやヘビなど野外で出合う危険生物に関する著書を持つ西海太介氏は、かつてオオスズメバチに刺されたことがある。

「刺された瞬間にドンッと大きな衝撃が走りました。痛みがとにかく酷かったので応急処置として流水で患部を洗い、保冷材でなんとかごまかしました。遭遇したときは、とにかく刺激しないこと。振り払わずに、ゆっくりと後ずさりをしてその場を離れるべきです」

 さらに、オオスズメバチに刺された場合、毒以外で死亡するケースもある。群馬県立ぐんま昆虫の森の金杉隆雄氏によれば「高齢者や乳幼児がのど元を刺されて、パンパンに腫れあがり、呼吸ができずに亡くなってしまう。また、女性の場合、香水の匂いを蜜と勘違いして寄ってくることもあります」とのこと。注意が必要だ。

◆蚊の100倍(!?)のかゆみが2週間も続いたチャドクガ

 命に別状はない毒虫なれど、刺されてたまらない体験をしたのが前出の金杉氏だ。「チャドクガには気をつけるべき」とその壮絶な経験を教えてくれた。

「チャドクガは普通の蛾と見分けがつかないため、ガーデニングなどの際にうっかり触ってしまい、毒針が刺さることがあります。実は私も一度刺されたことがあるのですが、蚊の100倍はあろうかというかゆみが2週間も続き、もう気が狂うかと思いました」

 そんなかゆさ、死ぬよりツラい!? しかし、さすがは昆虫を研究している皆さん、それぞれに苛烈な経験をしているものだ。

※現在発売中の『週刊SPA!』7/25発売号では「刺されたらヤバい[最凶殺人虫]図鑑」という特集を掲載中。ヒアリに注目が集まっている昨今だが、この夏、自然に触れ合う前に気をつけるべき虫を大紹介している。

取材・文/建部 博 山野祐介