クアルコム、前年同期比40%の減益 法廷闘争でライセンス収入低下

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7月上旬、クアルコムはアップルとの法廷闘争をさらにエスカレートさせ、アメリカ国際貿易委員会(ITC)に対し、同社の競合のインテル製チップを搭載したiPhoneの米国への輸入を禁ずるよう要請した。インテル側としては当然、ITCがこの要請を拒否することを望んでいる。

その後、7月20日午後、インテルはITCへ申し立て書を送付。クアルコムの要請が競合を市場から追放する事を目的とした反競争的行為であると主張した。

インテルは文中で「クアルコムの要請は競合を市場から追放しようと狙う、あからさまな攻撃だ」と述べた。さらに「クアルコムは長年、このようなねじ曲がった姿勢で委員会へ要請を行い、競合の市場参入を防ぎ、自社の優位性を保とうとしてきた」と批判した。

クアルコムは今月上旬、ITCに送った要請の中で、アップルのインテル製チップを搭載したiPhoneがクアルコムの6件の特許を侵害していると訴えた。クアルコムの法務顧問のDon RosenbergはニュースメディアAxiosの取材に「この問題が広く世間に認識されることを望んでいる」と応えた。

しかし、インテル側は「クアルコムは、世論を間違った方向に導こうとしている」と主張する。さらに、「クアルコムの主張が認められれば、米国でのiPhoneの価格は上昇し、イノベーションを阻害することにつながる」と述べた。

アップルは昨年発売のiPhone 7の一部の製品から、インテル製のモデムの搭載を開始した。iPhoneのモデムは長年、クアルコムが唯一の提供元だった。業界関係者の間ではアップルが年内に発売するiPhoneの新型モデルには、さらに多くのインテル製モデムが搭載されるとの見方があがっている。

メーカーらがロイヤリティ支払い停止

インテル側はクアルコムが長年、独占禁止法に抵触する行為を行ってきたと主張している。クアルコムはモデム市場で主要なポジションを占めており、その優位性を利用して世界の端末メーカーからライセンス料を不正に徴収しているというのがインテルの主張だ。

アップルとクアルコム間の法廷闘争は今年1月に勃発した。アップル側はクアルコムが、不正なロイヤリティ請求を行っていると主張し、10億ドルを支払うように求めた。その報復としてクアルコムは4月に反論書を提出。アップルはサムスン等の企業の力を借りて、クアルコムの技術を不当に安く買い叩こうとしていると主張した。また、アップルは法廷闘争を有利に進めるため、不正な証拠を当局に提示しているとした。

今回の法廷闘争はクアルコムの収支に暗い影を落とし始めている。7月19日発表の第3四半期決算で、クアルコムの純利益は前年同期比で40%の減少となった。クアルコムは、アップルの委託メーカーがアップル製品関連のロイヤリティを支払わなかったことが業績に影響したと述べた。

クアルコムは個別のメーカー名を挙げることを拒否したが、Bernstein ResearchのアナリストのStacy Rasgonは、中国のファーウェイもクアルコムに対するロイヤリティ支払いを停止したのではないかと見ている。