「管理」する仕事が多種多様になった管理職。時間を取られ、職場に最後まで残っているということはありませんか?

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前回は「問題上司」が部下や組織に及ぼす悪影響について述べたが、「問題上司」は数の上では少数派に属する。むしろ深刻なのは、組織を支える大多数の管理職(ミドルマネジャー)に元気がないことだ。「チームのビジョンを明確に示せない」「コミュニケーションがうまく取れず、マネジメントに自信が持てない」など、弱音を吐く管理職は少なくない。しかし、企業が成長し続けていくには現場に活力が必要であり、そのためには上司が部下と強い信頼関係を築き、組織の生産性を向上させ、成果・実績を上げていかなければならない。では、それを実現するために管理職に求められる能力とは、どのようなものなのだろうか。(『日本の人事部』編集部)

管理職が担う
「責任」「業務」が多様化

 いま管理職は、大変な状況に置かれている。「求められる責任」が以前と比べて格段に増えているのだ。担当部署の「業績責任」を負うだけでなく、内部統制や個人情報保護、コンプライアンス遵守やワークライフバランスへの対応など、近年の組織管理における法的対応業務の「管理責任」が、否応なくのしかかっている。

 さらには、職場における「複雑性」の拡大という問題もある。成長分野へ事業を展開していくに従って担当領域が広がり、自分が門外漢である業務に関しても、迅速に判断し指示することが求められている。また、年長者や外国人、非正規社員や派遣スタッフなど、雇用形態や勤務形態が異なるメンバーが混在するチームを率いていかなければならない。これまで日本企業に存在した、ハードワークを厭わない男性社員同士による“あうんの呼吸”は通用しなくなっており、的確な指示命令と、きめ細かな対応が求められているのだ。

 管理職自身に目を向けると、成長のための機会が少なかったことがわかる。バブル経済が崩壊した1990年代前半以降、組織のフラット化が進み、業務の整理・縮小が行われた結果、小さな業務を一人で任されるようになった。人は増やせないため、何年も同じ仕事を繰り返すことになり、成長する機会が減少。海外拠点や子会社で重責を担う機会も少なく、いわゆる「修羅場体験」や「一皮むける経験」をしてこなかった。「人を育成・マネジメントする機会」が不十分なまま、管理職になった人は多い。このような経験不足が自信のなさへとつながり、自分で判断できない管理職を作り出してしまったのである。

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