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宮崎県を拠点とするソラシドエアは7月24日、都内にて「ソラシドトーク」を実施。6月22日の株主総会で代表取締役社長に就任した宮崎出身の高橋宏輔氏より改めて、2018年度内に国内線を6便(3往復)拡充するほか、2015年度から実施している国際線チャーター便を継続し、2019年度中に定期便を展開する計画が発表された。

○「国内線だけをやっているでは済まない」

同社は2002年に羽田=宮崎線を就航し、この8月1日に15周年を迎える。現在は毎日10路線・68便(34往復)を運航している。また、2015年10月にはボーイング737-800全ての機材更新が完了。現在は全12機の新機材で運航しており、2017〜2020年度中期期間中に2機の新機材の導入を予定している。

4月20日に発表した2017〜2020年度中期経営戦略(以下、新中期計画)の通り、定量目標として、売上高営業利益率は4%以上、ユニットレベニュー(座席キロ当たりの収入単価)は8.8円以上、ユニットコスト(座席キロ当たりのコスト)は8.5円以下、就航率は99%以上という目標を設定している。

2016年度実績では、売上高は38,153百万円、営業利益は3,982百万円、営業利益率は10.4%、ユニットコストは7.7円、就航率は98.7%となっている。特にユニットコストに関しては、2012年度の9.0円から年々コストダウンを実現しており、2016年度の7.7円は国内航空会社の中でも極めて低い水準を保っている。現状の実績を踏まえると、新中期計画は上がり始めている原油を踏まえた上での堅実な計画と言えそうだ。

また、新中期計画の重点課題として、3つの課題「らしさの追求」「フィールド拡大」「将来を見据えた組織・機能・人材」、さらに6つの成長の柱「オペレーション品質の向上」「マーケティング営業力強化」「社内風土ロイヤルティ強化」「組織・人材の強化」「強固な経営基盤づくり」「サービスプロダクト品質向上」を掲げている。

2013年から2016年にかけた経営計画では、「強いソラシドエアになるための基盤づくり」に注力し、機材更新などの計画を遂行。高橋社長は、「2015〜2016年度の経営計画において経営成績が非常に良くなった。間違いなく体力がついてきており、運航サービスレベルも大手に比肩するところになってきたと思っているが、前経営陣が分析したところ、近年エアラインを取り巻く環境は変わっている。インバウンド需要が高まり、地域の目も海外に向いている。我々は国内線だけをやっているでは済まないところにきている」と話す。

その意味で、同社は「地域と世界をつなぐグローバルエアライン」をイメージし、今後は国際線も視野に入れた展開を加速する。なお、2018年度内に拡充する国内線6便(3往復)に関しては、新規就航と既存路線の増便、どちらの展開になるかまだ検討中となっている。

同社は2015年度に初の国際線チャーター便として宮崎=高雄線を4便(2往復)就航、2016年度には羽田=韓国(仁川)線を8便(4往復)展開している。今度も継続してチャーター便数を拡大し、その実績を踏まえて2019年度に国際線定期便の就航を目指す。現状、国際線の就航地に関しては検討中としている。

○15周年で新しい機内サービスも

8月1日に15周年を迎える同社は、就航15周年ロゴおよび就航15周年キャッチ&ボディコピー「つぎのソラへ。」を設定し、同日より記念企画をスタートする。第1弾として、同社初となるご当地アルコールの機内ドリンク販売を開始する。就航地・沖縄の「オリオンビール」とそら豆入りのおつまみをセットにして税込500円で販売する。また第2弾として、宮崎県の県木「飫肥杉(おびすぎ)」を用いた同社オリジナルの「飫肥杉モデルプレーン」を8月限定で機内販売として展開する。

第3弾として、機内誌「ソラタネ」をリニューアルし、就航地の情報や企画内容もバージョンアップする。新企画として、就航地にゆかりのある地元の芸能人・文化人などの著名人にインタビューし、地元で楽しく酔っぱらうための個人的3カ条を紹介する「ジモトの酒場のオキテ」や、就航地に点在するご当地グルメに焦点を当て、発祥ストーリーや新味&新店のトレンドを紹介する「三ツ星グルメ案内」なども展開する。

そのほかにも、新しいボーディングミュージックが、数々のテレビドラマや映画音楽を手掛ける人気作曲家によって製作中となっている。ミュージックは九州・沖縄の広大さを感じられるイメージ、また、自然と笑顔が生まれるイメージで構想しているという。さらに、野球やサッカーの合宿地などとスポーツとの縁も深い九州を拠点にしているエアラインとして、今後、九州出身のスポーツ選手とスポンサー契約を提携することも検討している。

また同社は、2012年10月に実施した宮崎県綾町との取り組みを皮切りに、1機体1自治体を基本に1年間機体側面に地名を表示するとともに、機内でも各自治体独自の方法でPRする「機体活用プロジェクト『空恋〜空で街と恋をする〜』を実施しており、7月14日からは18番目となる大分県杵築(きつき)市との取り組みを開始した。この空恋パートナーとの企画として、ソラシドマルシェも今後開催する。

九州出身者を中心に、地域に根差したローカルエアラインとして愛されているソラシドエア。今後はさらに、世界を視野に入れた展開も加速していくとしているが、現在はまだ、積極的に海外へのPRを実施していないという。

国内航空会社を見てみると、北九州を拠点とするスターフライヤーも2018年冬ダイヤから国際線定期便の就航を計画しており、スカイマークも2017年内に国際線チャーター便運航に向けて調整をしている。LCCも積極的に国際線を展開している中で、「価格訴求をする航空会社もあるだろうが、我々は国際線においても、女性目線のサービスや温かみ・親しみを重視した地域密着型のサービスなど、ソラシドエアが持つ強みを生かした展開を目指す」と高橋社長は語る。日本を、また、九州・沖縄を感じさせるサービスをどのように外国人に訴求していくのか、今後の展開に注目したい。