提供:週刊実話

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 “抱腹絶倒!”と謳われていて、その通りだったためしがないのですが、本作を見始めたとたん、「こりゃ大変なことになってるぞ」とハマッてしまいました。暴走車をめぐるドタバタ喜劇を、フランスが見事に映画化した“怪作”です。
 車に乗った家族5人や暴走車を追いかける白バイ警官の男女など、登場人物それぞれが秘密を持ち、間の悪さが連鎖して次々と明るみに出てしまうドタバタぶりは、三谷幸喜の舞台『アパッチ砦の攻防』のようです。
 邦題は『ボン・ボヤージュ』ですが、自分がつけるとしたら『なんて日だ! 〜こんな日に家族ドライブなんて〜』としますね。

 さて、映画のほとんどが速度160キロのまま制御不能となった車でのシーン。パンフレットによると、スタジオの中ではなく、実際の道路上に役者を乗せて車を暴走させ、その隣を同じスピードで走る車からカメラを肩に担いで撮影したそうです。“いったいどうやって撮ったんだ?”と考えながら見ると、より楽しいと思います。
 今回、登場する車は、日本でも搭載が現実化しつつある「自動運転装置」が壊れたという設定。ブレーキがまったく効かず、スピードを落とすこともできません。そういえば、その昔、教習所で万一ブレーキが効かなくなったら、路肩に車をこすりつけろと習った記憶がありますね。
 物語では、この車を買ったディーラーに問い合わせをしても「思い切りブレーキを踏んでみてください」の一点張り。問い合わせ先の無責任な対応にイラつくのは、誰しも経験があるので笑えます。
 昨今のむやみなAI化に警鐘を鳴らした映画ともとれますが、そもそもオートマすら信じない自分なので、今もかたくなにマニュアル車ばかり乗り続けています。

 そういえば、今、自分が所有しているドイツ車は、あるときから運転中に「ザッパーン」という大きな波の音が車の内部から聞こえるようになりました。いったい何事だと点検してもらったところ、車体に降り注ぐ雨水などが排出できず、内側にとんでもない量となるまで水が溜まっていたそうなんですが、原因を突き止めて修理してくれたのは町工場でした。
 何度もトラブルに見舞われながら車を乗り続けた自分は、運転も大好きなのですが、視力が極度に落ちてしまい、今や怖くて運転はできません。7月には思い切って白内障の手術を受けることにしました。これで、もし視力が回復したら、免許返上の前に国内一周ドライブでもしたいところです。

画像提供元:(C)2016 Chic Films - La Petite Reine Production - M6 Films - Wild Bunch

■『ボン・ボヤージュ 〜家族旅行は大暴走〜』監督/ニコラ・ブナム
出演/ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ、カロリーヌ・ビニョ、ジョゼフィーヌ・キャリーズ、スティラノ・リカイエ
配給/ギャガ

 7月22日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開。
 整形外科医である父トム、妊婦の母ジュリア、不思議少女な9歳の娘リゾン、やんちゃな7歳の息子ノエのコックス一家は、祖父と一緒に自慢の新車で夏休みのバカンスへ出掛けることに。しかし、最新システムを搭載したはずの車がまさかのブレーキ故障。制御不能のまま高速道路を時速160キロで暴走し、役立たずの警察官や能天気なカーディーラー、フランス全土をも巻き込んで、一家を乗せた車内はパニックに陥る。

やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中。