練習場から「驚異的なリカバリー」を見せたジョーダン・スピース【写真:Getty Images】

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13番、アンプレアブルを選択した23歳がドロップ場所に選んだのは練習場

 海外男子ゴルフのメジャー第3戦、全英オープンは現地23日に最終日が行われ、ジョーダン・スピース(米国)が通算12アンダーで大会初優勝を飾った。絶体絶命の状況でアンプレアブルを宣言すると、グリーン手前まで運ぶスーパーショットが炸裂。のちの猛チャージを呼ぶ練習場からの一打に、大会公式ツイッターは「驚異的なリカバリーだ」と速報し、動画付きで紹介している。

 世紀のスーパーショットが飛び出したのは、13番のパー4だった。

 スコアを3つ落とし、マット・クーチャー(米国)に並ばれて迎えた勝負のホール。スピースの第1打は大きく左に曲がり、ギャラリー席後方の深いブッシュに打ち込んでしまった。スイング直後に思わず両手で頭を抱えるほどのミスショット――。絶体絶命のピンチに立たされた23歳は、驚きの決断を下した。

 競技委員とギャラリーが見つめる中、小さな丘の中腹で考え込むスピース。傾斜でグリーン方向へのショットは十分なスタンスが取れない。一度丘の上に登り、全体を見渡して出した決断は、1打ペナルティーを付加して救済措置を受ける「アンプレアブル」の宣言だった。

“練習場ショット”でボギーに踏みとどまり、その後の猛チャージにつなげる

 アンプレアブルで与えられる選択肢は、「最後にプレーしたところのできるだけ近くにドロップ」「ホールと球があった箇所を結んだ線上で、その箇所よりも後方にドロップ」「球の箇所から2クラブレングス以内で、しかもホールに近づかないところにドロップ」の3つ。ドロップ場所を巡って20分近く協議した結果、後方に隣接する練習場からの再開を選んだ。

 スピースが放った第3打は、小雨を切り裂き、グリーン手前へ。鮮やかな“練習場ショット”でのリカバリーにギャラリーからは惜しみない拍手が送られた。

 このホールをボギーで踏みとどまったスピースは、14番パー3でバーディー、続く15番パー5でも10メートル以上のイーグルパットを沈めてクーチャーを逆転。さらに、16番、17番でもバーディーを奪い、通算12アンダーで初の全英オープンタイトルを手にした。

 米スポーツ専門テレビ局「ESPN」電子版は、「13番ホールでアンプレアブルのライからドロップを数台のトラックに挟まれた最寄りの場所――練習場に選ばざるを得ないような危険な歩みとなった。作り話ではない。スピースは砂丘の裏からブラインドショットを放つと、厄介な場所を後にした」と“奇跡の脱出”を報道。併せて、「ちょうどあそこで機運が変わった」というスピースのコメントを伝えている。

元世界1位のウッズも祝福「なんて見事な盛り返しなんだ」

 大会公式ツイッターも「驚異的なリカバリーだ!」と速報し、この模様を動画付きで紹介すると、ファンもSNS上で即座に反応を示した。

「信じられない」

「なんて偉大なチャンピオン」

「何も悪くない。ゴルフのルールを意図通りに利用しただけ!」

 元世界ランキング1位のタイガー・ウッズもツイッターで「なんて見事な盛り返しなんだ。本当におめでとう」と祝福のメッセージを送っている。

 全英オープンにおける米国人の最年少優勝記録を更新し、メジャー通算3勝目と四大会全てを制する「生涯グランドスラム」にも王手をかけた。目覚ましい躍進を続けるスピースの武勇伝として、2017年大会で見せた“練習場ショット”は後世に語り継がれるだろう。