内藤 忍氏

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投資のリスクを抑えるのに有効なのが「分散投資」であり、その際、どんな投資対象にどれだけ投資するか「ポートフォリオ」が重要になる。そこで、勝ち組投資家の知恵が隠されたポートフォリオを一挙公開する!

◆【実物資産MIX型】金融4資産を中心に実物資産にも投資!

 リターンを狙えば、必ずリスクを抱え込む。そんな投資に付きまとうリスクを抑えるのが「分散投資」だ。

 卵は1つのカゴに盛るな。1つのカゴ(投資対象)にすべての卵(資金)を盛ってしまうと、カゴを落としたときにすべての卵が割れてしまう……。この相場の格言は、分散投資の重要性を説いている。

 円(為替)が下がれば株は上がり、株が上がれば債券は下がる、と一般的に言われるように、投資対象を分散すれば、たとえ株で損失を被っても債券の上昇でカバーすることが可能なのだ。また、株だけに投資していたとしても、1つの銘柄に全力投球していたら下落時には目も当てられないが、複数の相関性の低い銘柄に分散していれば、当然、リスクを低減できる。そこで、重要になってくるのが、「どんな投資対象にどれだけの割合で投資するか」の組み合わせを示すポートフォリオだ。金融資産の場合、日本株、外国株、日本債券、外国債券の基本4資産で構成するのが、標準的とされるが、資産デザイン研究所代表の内藤忍氏は基本的な考え方をこう教えてくれた。

「大きなリターンを得たいという気持ちはわかりますが、資産運用の目的は、単に投資で儲けることではありません。本来の目的は、リスクをコントロールして将来必要なお金を着実に手に入れること。その際、ポートフォリオで資産運用を考えることが重要になります。実は、個人投資家にとって『どのタイミングで投資するか』『どの銘柄に投資するか』よりも、資産をどう配分するかのほうがはるかに大事なんです。短期的な売買に注力したり、銘柄選びに熱心になっても、一般的にはリターンを得るのは難しいのが現実ですからね。となると、コストを抑えるのが重要になってくる。インデックスに投資すれば、市場やセクターの平均に投資することになるので銘柄を選ぶ必要もなく、コストも抑えられます。第2に、個人投資家は総じてリスクを取りすぎている人が目立ちます。リスクを抑えるには、分散投資をすればいい。株や債券など1つの金融商品に集中して投資せず、各々の相関が小さいものに分散して投資するのです」

 確かに、誰しも目先の儲けに走りがちなのは否めない。だが、ポートフォリオを組む際は、目先の利益よりも長期的な安定運用を目指すのが基本だ。内藤氏は、個人投資家のポートフォリオに共通しがちな問題点を指摘する。

「特に、投資のビギナーに多いのですが、資産の半分以上が現金に偏っているケースが目立ちます。投資の勉強をする時間がなかったり、投資先が見つからなかったりで、資金が放置されてしまっている……。もちろん過剰にリスクを取るのは禁物ですが、取らなさ過ぎでは、せっかくの資金を遊ばせているに等しい。また、円資産への偏りが著しいポートフォリオも多いですね。外貨建ての資産にも分散投資したほうがいいでしょう」

 内藤氏のポートフォリオは金融4資産を軸とするが、実物資産である不動産やアンティークコイン、現代アートなどにも投資している点が特徴だ。

「金融資産と併行して、不動産にも投資してます。銀行から融資を受けられる場合、不動産投資の借入れに利用すれば、レバレッジの効いた投資が可能になります。例えば、2000万円の都心中古ワンルームなら、頭金と諸費用を合わせた70万円ほどで買うことができる。つまり、約30倍のレバレッジ。FXで30倍のレバを掛けたら、少し逆に触れただけで大変なことになりますが、不動産投資の場合、物件価格が下がったとしても、家賃収入が継続的に得られれば、そこからローンを返済できる。さらに、35年くらいのローンを組むと、家賃収入のほうがローン返済よりも数千円から1万円多いので、毎月、元本を減らし続けながらキャッシュフローが生まれます。資金に余裕がある人は、日本債券の比率を落として、銀行から融資を受けて、債券を売った分の10倍ほどの不動産を購入するのもいいでしょう。個人投資家は、お金を借りる力を持っているのに有効に活用していない人が多い。借入れにはリスクを伴うが、金利差から収入を得るチャンスでもあるのです」