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マンションでも一戸建てでも、夏になると暑くて困るのが「西日」の当たる部屋。その暑さをなんとか和らげるためには、どんな工夫ができる? インテリアコーディネーターの秡川寿美礼(はらいかわすみれ)さんに聞いてみた。

そもそも西日の当たる部屋はなぜ暑い?

日差しの強かった日は、太陽が沈みかけるころになってもまだ暑い……いや、むしろ日中より暑くなってない? と感じたことのある人も少なくないのでは。これは「建物自体が、日中に太陽の赤外線によってじっくりと温められているからなんです」と秡川さん。特にコンクリートは熱をため込みやすく、暑さのピークを過ぎてもなかなか冷めないのだとか。

空気も地面も建物も、丸一日かけて温められた夕方。そこへ、高度を下げた太陽光が部屋の奥深くまで差し込んでくるから、西日の当たる部屋は暑い、ということに。「外から入る熱の7割が窓から入ってくるといわれています。だから、窓からの熱を遮る対策が必要なんですね」

なるほど。やはり西日を遮るのがいちばん。さっそく窓まわりの熱を遮る具体的なアイデアを教えてもらったので、ご紹介していこう。

窓からの熱を遮るアイデア6つ

窓まわりの対策といっても、賃貸住宅の場合はできることに制限が。また、持ち家でもマンションなど集合住宅の場合は、窓の外側は個人でのリフォームができる専有部分に含まれないのが一般的。窓の「内側」でできる工夫を紹介しよう。

【その1】窓にウィンドウフィルム(ガラスフィルム)を貼る
窓の内側に、熱を遮る効果のあるフィルムを貼るというアイデア。「1m2 500円くらいからと気軽に取り入れられて、なおかつ効果も期待できるアイデアです」。剥がした後に接着剤が残らないタイプなら、賃貸住宅でも取り入れられる。設置するのに場所をとらないのも良さそう。

【その2】レースのカーテンを遮熱カーテンに
レースのカーテンを、赤外線を反射する糸で織った遮熱カーテンに変えるアイデアも。「レースタイプなら、明るさは取り入れつつ、熱だけを遮ってくれます」。ミラータイプなら、夜、室内の様子が外から見えにくい効果も。

【その3】ハニカム構造のスクリーンを設置
ハニカム(蜂の巣)構造のスクリーンは「蜂の巣状の空気層が、断熱効果を発揮します。透過性のあるタイプを選べば、熱を遮りながら、やわらかな光を取り入れることもできます」

【画像1】ハニカム構造で窓辺の断熱性を高める「ブランシェDX ハニカムスクリーン」(画像提供/株式会社LIXIL)

【画像1】ハニカム構造で窓辺の断熱性を高める「ブランシェDX ハニカムスクリーン」(画像提供/株式会社LIXIL)

【その4】既存の窓の内側に、内窓を設置
集合住宅でも一戸建てでも、持ち家なら、既存の窓の内側に内窓を設置することが可能。「ほかの方法に比べてコストはかかりますが、窓と窓の間に大きな断熱層ができるので、熱を遮る効果はぐんとアップします」

【画像2】今ある窓の内側に、窓をもう1枚プラスして断熱性などを高める「インプラスウッド」(画像提供/株式会社LIXIL)

【画像2】今ある窓の内側に、窓をもう1枚プラスして断熱性などを高める「インプラスウッド」(画像提供/株式会社LIXIL)

【その5】オーニングやタープで床の熱もダウン
窓から斜めにオーニングやタープを設置するのも効果的。斜めに張ることで「窓だけなく、バルコニーなどの床が温まるのを防ぐことができるのがポイント」なのだとか。「すだれやよしずも同様の効果がありますが、それ自体が温まらないよう、水をかけて温度を下げるとより効果的です」

【画像3】簡単に日除けができる「多目的バー」と「簡易タープ」。緑のカーテン、洗濯物干しにも(画像提供/株式会社LIXIL)

【画像3】簡単に日除けができる「多目的バー」と「簡易タープ」。緑のカーテン、洗濯物干しにも(画像提供/株式会社LIXIL)

【その6】ツル系の植物を育てて緑のカーテンに
ゴーヤや朝顔などツル系の植物を、窓の外に張ったネットに這わせる緑のカーテンは、数年前から人気。「日差しを遮るだけでなく、土から吸い上げた水分を葉っぱの裏から蒸発させるときに周りの熱を奪うので、窓まわりの空気が下がるという効果もあります」。ローコストで、植物を育てる楽しみも味わえる。

夏には大変なことも多い西向きの部屋。ところが住んだことのある人に聞くと「寒い日は暖かくて快適」「遅い時間に干した洗濯物もよく乾く」などのメリットも。ここで紹介したアイデアなどを駆使して夏の大変な時期を乗り切り、快適に暮らそう!

●取材協力
・インテリアコーディネーター 秡川寿美礼さん(エル・エル・プランニング代表取締役)
(前川 ミチコ)