取材に応じた平尾昌晃さんの次男・勇気

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 肺炎のため21日深夜に亡くなった作曲家の平尾昌晃さん(享年79)の遺体は23日、都内の自宅マンションから一時的に移され、防腐処置を受けた。この日、次男で歌手の平尾勇気(36)が遺族を代表して本紙の取材に応じ、死に装束をお気に入りの紫ジャケットとピンクのネクタイにすると明かした。派手好きだった平尾さんらしい、最後の別れとなる。通夜は28日、葬儀・告別式は29日に家族葬で営まれる。

 平尾さんの遺体は亡くなってすぐ自宅に移されたという。仕事先の名古屋市から兄弟とともに駆けつけた勇気は22日早朝、父と無言の対面。「凄くきれいな顔で、いまだに亡くなったことを受け入れられない」と話した。

 みとったスタッフによると、平尾さんは20日に苦しさを訴え気胸が判明。亡くなる30分前に吐血し、心臓マッサージにも蘇生しなかったという。この日、勇気らは遺体の枕元にプレーヤーを置き、平尾さんの名曲や生前愛したロックをかけながら、どう送り出すべきかなど今後について親族で協議した。

 そして浮上したのが生前の平尾さんが大好きだった“ど派手な衣装”での旅立ち。勇気は「ピンクのジャケットばっかり着てたから、みんなそれを着せたいと言ったけど、ここ数年、お気に入りだったピカピカの紫のジャケットを着せることにした。ただ親父とくればピンク。だからネクタイをピンクにしました」と説明した。

 一般的には白の和装のイメージが強いが、近年定着しつつある「エンディングウエア」と呼ばれるサービス。生前のような服装を着用することで別れの悲しさを和らげると人気だ。派手さを好み、派手なことが似合った平尾さんにピッタリだ。

 遺体は「エンバーミング」という薬液を用いた防腐措置を受け、当面は自宅マンションに安置される。通夜は28日、葬儀・告別式は翌29日。家族のみで営むといい「たくさんの人にお見せできないのは少し残念」としつつ「皆さんに愛してもらった“平尾昌晃”らしい、今にも踊りだしそうな姿で送り出すことを親父は喜んでくれるのでは」と話した。

 勇気は歌手ながら「チャラ男キャラ」で露出するなど「先生(平尾さん)には怒られてばかりだった」。舞台での共演は11年秋、名古屋市でのチャリティー公演が最後になったといい「紅白歌合戦で、蛍の光を指揮する先生と並ぶのが夢だった。親孝行できなかったなあ」と目頭を押さえた。

 ▼エンバーミング 遺体の防腐や消毒が目的。ポンプを使い全身の血液を抜き、薬液を全身に行き渡らせる。10日前後保存できる施術が一般的だが、薬液の調合次第では何年も遺体の状態を保てる。赤い薬液で遺体の肌の色をよく見せたり、損傷を修復するなど遺族の悲しみを和らげる目的もある。所要時間は3〜4時間、費用は15万〜20万円。土葬文化の欧米に比べると日本での普及率は低いが、年々増加傾向。2016年は処置件数は約3万6000件。全国に約35の施術施設がある。