私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「万引き」の話題に続いて、今回取り上げるのは「強盗への対応」について。ニュースなどでもよく耳にするコンビニ強盗ですが、実はリスクが大きい割には、得られる金額は少ないってご存知でしたか。

強盗を撃退したコンビニ店長の機転

前回は「万引き」について取り上げた当連載。今回はコンビニにとっては万引き犯以上の招かれざる客である「強盗」に関するお話です。

年中無休で24時間営業しているコンビニ。特に深夜や早朝の時間帯は店員の人数も最低限となるため、強盗たちの格好のターゲットとなりやすいのです。

以前に話を聞いたことのある店長さんの店舗に強盗が入ったのも、やはり深夜の時間帯でした。やおら店内に押し入り、レジにいる従業員たちに包丁を突き付ける犯人。ところがその時、店内にはこの2人のアルバイト以外に、店長さんがバックルームにたまたま残っていたのでした。

バックルームで強盗を確認した店長さんは、電話機を手に持ちながら店内に入り、「警察に通報したぞ!」と大声を出しました。その声を聞いた犯人は、何も取らずに逃走。店長さんは逃げた犯人に対して、警察から指導をされているカラーボールを投げつけましたが、犯人には当たらなかったそうです。

ちなみにこのカラーボール、プラスティック製のボールの中に特殊なインクが入っており、犯人の足元に投げつけることで破裂し、中のインクが犯人に飛び散る仕掛けです。このインクが本当に落ちにくく、何回洗濯してもインクの跡が残るんだそうです。

強盗に入られた時の通報手段とは

先に挙げたケースでは、店内の別の場所にいた店長さんの機転によって、犯人の撃退に成功しました。ただ、もしこれがレジにしか店員がいなかった場合、どうなっていたでしょうか。強盗が発生した際に、一にも二にもしなくてはいけないのが警察への通報。しかし、強盗犯に刃物などを突き付けられた状態で、そのような行為は非常に危険です。

そこでコンビニには、強盗に気付かれずに通報するシステムが整備されています。まずは、レジカウンターの裏側に設置されている通報ボタン。レジカウンター越しに強盗が凶器を突きつけ、「金を出せ!」と迫ってきた時に、気づかれずに通報するためのものです。また、両手が上がっている(ホールドアップ状態)際に通報できる装置として、足で踏むことで通報できるペダルもあります。

以前にはこれら以外に、踏むと店舗外の回転灯が点灯し、大音量のベルが鳴り響くペダルも設置されていました。しかし、これは「逆に犯人を興奮させるのではないか」ということで、設置されなくなりました。

もしもレジにいない場合は、常に首からぶら下げている通報ボタンで通報します。このボタンを押すと、店内では特に目立ったアクションは起こりませんが、自動的に警備会社へ通報されるようになっています。通報を受けた警備会社は、防犯カメラの映像を確認したうえで店舗へ電話連絡。そこで店舗スタッフが電話に出ることができなかった場合、警察へ代理で通報するようになっています。

コンビニに現金は意外に少ない

コンビニは日々現金商売であるため、店内に大量の現金があるようなイメージを持たれ、それ故に強盗にも狙われやすいのですが、実はそれほど現金はありません。

レジ内には10万円程度の現金しかなく、レジ内の現金が10万円を超えると、こまめに店舗裏の金庫に現金を移動させているからです。店舗の金庫はアルバイトスタッフでは開けることが困難ですので、強盗をした際に店舗に責任者が不在だと収穫は少なくなります。

また、コンビニにATMが設置されはじめてからは、その金庫内の現金についても少なくなっています。その日の売上をATMで即振込・入金してしまうからです。

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文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで: u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

出典元:まぐまぐニュース!