遺体が発見されたアパート(画像は『EL PAÍS 2017年7月17日付「For Spain’s elderly living alone, how death can sometimes go undetected」』のスクリーンショット)

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「そういえば5年くらい姿を見かけていません」―事件に巻き込まれるような要素は何らなかった女性について、約130名の住民たちは一様にそう話したという。どの国でも独居老人の孤独死が問題視されているが、高齢とはいえない人々の例ももちろんある。スペインでこのほど…。

『EL PAÍS』ほかが伝えたところによれば、スペイン・ガリシア州ア・コルーニャ県のクジェレートにあるアパートでこのほど、完全にミイラ化した女性の遺体が発見された。女性はその後、数年前に行方不明となっていたマリア・デル・ロザリオ・オテロ・ヴィエテズ(María del Rosario Otero Vietes)さんと判明。マリアさんは母親とともに長年そのアパートに住んでいたが、親類との交流もないなかで母親が死亡し、彼女の暮らしぶりはさらに孤独なものと化していた。

不動産会社による家賃の自動引き落としは母親の銀行口座を利用して続けられており、しかし電気代と水道代に滞納が発生し、督促状にも対応しないことからストップとなり、それにも反応がなかった。そのため警察は7月3日に関係者立ち合いのもとで彼女のアパートの部屋に入り、廊下でミイラ化した彼女の遺体を発見した。誰も乗らない彼女の車はホコリをかぶっており、住民たちは警察に「女性宅の郵便物が確かにポストから溢れていた」「窓ガラスが汚れているため内側を覗き見ることはできなかった」などと話したという。

警察はその後、「マリアさんは生きていれば56歳。2011年末に死亡したと考えられるが、周辺とのトラブルもなく事件、事故の可能性は極めて低いため自然死とみられています。遺体は当局により6日に火葬されましたが、親類の立ち合いはありませんでした」と発表している。こうしたケースはスペインでは決して珍しいことではないとのこと。孤独死を遂げ、誰にも気づかれないままゆっくりとミイラ化する、そんな遺体が毎年何体も見つかるとしている。

スペインの統計局が発表したところによると、現在スペインでは人口の1割が一人暮らしでその数はますます増えており、世帯数でみても460万世帯が独居世帯であるとのこと。これは4世帯に1世帯が一人暮らしであることを意味し、その多くが未亡人女性であるという。季節や気象条件にもよるが、栄養失調などで痩せた高齢者が下痢や熱中症といった脱水症状を伴って死亡した場合、予想以上に早くミイラ化することがあるそうだ。

画像は『EL PAÍS 2017年7月17日付「For Spain’s elderly living alone, how death can sometimes go undetected」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)