日東電工は20日、「アメリカの核酸医薬品の受託生産能力を拡充」すると発表した。遺伝子に直接働いて治療する核酸医薬品は、次世代医療のホープとして期待が高く、実用化に向けての臨床試験の需要が増えている。日東電工はこの核酸医薬品の受託製造で6割の世界シェアを持っているが、さらに製造能力を2.5倍に拡大し、前期(2017年3月期)約200億円だった売上規模を3年後の20年には500億円とすることを目指している。

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 日東電工の創業100周年と次の100年間の基盤づくりを目指した中期計画達成に向けての取り組みを検討してみよう。

■前期(2017年3月期)実績

 売上高7,677億円(前期比97%)、営業利益926億円(同90%)に終わった。前年の1ドル120.2円から108.9円への円高と高い海外比率(73%)の影響で伸び悩んだ。こうした中、核酸医薬品の受託製造を行うライフサイエンス(医療)事業の売り上げは445億円(同185%)、営業利益は214億円(同933%)と全体を下支えしていた。

■中期計画“Jitugen-2019”の見通し

 今期(2018年3月期)見通しは、売上高8,000億円(前期比104%)、営業利益1,000億円(同108%)、1ドル110円で計画している。

 2020年3月期の計画は、売上高9,300億円(対前期比121%)、営業利益1,300億円(同140%)である。

 2019年3月期で創業100周年を迎え、2020年3月期で次の100年に一歩を踏み出す日東電工では、新規事業を創出し高付加価値製品での事業拡大を図り、既存事業の見直しと生産効率化を進めることにより事業別の構造改革を推進する。事業別では、以下のように計画をしている。

1.インダストリアルテープ事業(前期構成比39%)基盤機能材料分野: 「色を貼る」室内空間装飾HARUブランドの発売と世界展開次世代自動車分野: 次世代自動車関連材料と新製品開発の推進

2.オプトエレクトロニクス事業(同52%)情報機能材料分野: スマートフォンの液晶から有機ELディスプレイへの変換に対応した次世代ディスプレイ関連材料の拡大次世代自動車分野: 新製品の開発

3.ライフサイエンス事業(同6%)核酸医薬品分野: 受託製造の拡大と肺線維症治療薬、ガン治療薬への取り組み開始

4.その他事業(同3%)高分子分離膜分野: 空気を通し、水や塵を通さないフッ素樹脂材料「TEMISH」の開発により、半導体製造クリーンルームの防塵幕、防水型携帯電話や電動歯ブラシ、自動車の内圧機器材など広い用途への活用・展開

 6年連続知財・特許関連で世界の100社に選ばれている日東電工のニッチトップ戦略が、これらの新規分野でどう展開されていくか見守りたい。