――本書は辛坊さんのメルマガをまとめて出版されました。そもそもメルマガを発行するきっかけは何だったのですか?

 辛坊 読売テレビ退社時に設立した研究所(大阪綜合研究所)のホームぺージを作ったんですが、作成・管理会社に「毎月の管理料、何とかならんか?」と相談したところ「有料メールマガジンで回収しましょう」とアドバイスされて始めたんです。実は、メルマガ購読料(1か月324円)は、読売テレビの子会社などに流れていきます。その点では、メルマガを全面改訂して出版したこの本は貴重で、ありがたいことに印税が私のところに支払われます。皆さん、助けると思って本を買ってください(笑)。

 ――「マスコミ報道は嘘にまみれている」とありますが、読売テレビ時代の報道に関して疑問に思うことはありましたか?

 辛坊 幸い読売テレビの場合、社論と私の考えていることが非常に近く、この点での苦労はほぼなかったんですが、一度だけこんなことがありました。誰が総理大臣の時かは言いませんが、とある政権の首班について「宇宙人」と呼んで、官邸筋からマジで怒られたのには驚きました。だって顔が宇宙人そっくりで、人前で鳩の真似をするような人でしたから、言い得て妙だと思ったんですけどね(笑)。

 ――加計学園問題などメディアの政権批判が続きますが、このような報道に対してどう思いますか?

 辛坊 今回の騒動は、本質的に日本の役所や官僚の裁量権が大き過ぎて、かつチェックがしづらいという問題があり、これについては徹底的に見直すべきだと考えています。ただ、加計の問題でいえば、そもそも新学部設立を推進したのは、総理の指導の下で規制改革をするために作られた国家戦略特区制度です。その意味では、政府は堂々と「総理主導で、52年間文部科学省が認めてこなかった獣医学部新設問題に風穴を開けた。すべての条件を勘案して加計が一番ふさわしいと判断した」と言うべきでした。それを「総理は一切関わっていない」なんて嘘をつくから、話がややこしくなるんです。
 この問題での一部メディアの騒ぎ方は「このポストは赤いです!」と連日連呼するような話だと思うんです。本来「それがどうした」って話なんですが、連日、言い続けることで、アホな国民は「そうなんだ。ポストが赤いのは悪いことなんだ」って思うようになるんですね。皆さん、この本を読んで、物事の「別の視点からの見方」を習得してください。絶対、人生の役に立ちますから。
(聞き手/程原ケン)

辛坊治郎(しんぼう・じろう)
1956年大阪府出身。早稲田大学法学部卒業後、讀賣テレビ放送に入社。プロデューサー、報道局解説委員長等を歴任し、現在は大阪綜合研究所代表。