お祝いの食事として象徴的な「赤飯」を葬儀に出す地域もある?

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結婚や誕生日などのお祝いの日に出されることが多いお赤飯。女の子が初潮を迎えたときなどにも出されるが、地方によってはお祝いの日以外にも出されることがあるそうだ。

「教えて!goo」では「赤飯」と題して、赤飯の起源や血の色との関係について、質問が寄せられていた。

■赤飯の色と血液の色は無関係なのか?

質問者は、女の子が初潮を迎えたときにお祝いをするため、赤飯を食べるのみならず、親戚の老婆の誕生日祝いにも赤飯が出されていた旨を述べ、赤飯は血の色とかかわりがあるというのは正しいのかと聞いている。質問に対する回答を見てみよう。

「お赤飯はお祝い事のときに食べる物であって、初潮を祝う時の物とは限定していません」(noname#4952さん)

「女子の初潮を祝うのに赤飯がいつ頃から使われるようになったかはハッキリ分りませんが赤飯のルーツ説はこのような物です。…(中略)最近よく耳にする『古代米』は、稲の原種である野生稲の特徴を受け継いでいるお米のことで赤米と黒米はこの古代米に属します。特に『赤米』は日本のお米のルーツとされ【赤飯の起源】とも考えられています。赤米が作られていた頃お米はたいへんなご馳走で、古代人は神様への供物として捧げ祝い事のときにしか食べなかったそうです。ですからその後改良進化した白米を食べるようになってもその風習は残り続け、今でも祝い事の時には小豆などで赤く染めた【赤飯】を炊くというわけです」(Eivisさん)

赤飯と血の色については、様々な説はあるものの因果関係は無いのではないかとの回答が多かった。また、古代に食べられていた赤米が赤飯の起源であるとする回答もあった。

■地方によっては、葬式にも赤飯は出される。

葬儀にまつわるさまざまな問題に詳しい、心に残る家族葬を運営する葬儀アドバイザーに話を伺ってみたが、場所によっては状況が全く異なるようだ。

「現在もその風習が残っているかどうかは不明ですが、島根県でのご葬儀は少し特徴があります。それはお葬式にお赤飯を出すということでした。お葬式や法事、お盆にはおこわを出すところは、各地にあります。しかしそれは白や醤油で味付けしたもち米に黒豆やインゲン豆を入れたりしたもので、北海道では『黒飯』、金沢では『みたま』と呼ばれて、東京近辺では見かけないものの、全国各地でおこわは良く振舞われています。私も、おめでたい時に出される『お赤飯』とは、どこでもちゃんと区別があって、不祝儀の時は不祝儀用のおこわを用いるものなのだと信じ込んでいました」

おこわについては、筆者も聞いたことがあるが、葬式に赤飯とは初耳であった。

「しかしそれは私の無知にすぎませんでした。島根だけではなく『お葬式にお赤飯』はそこまで少数派ではないようです。福井県や新潟、群馬、東北地方にもその風習があるそうです。また長野県の一部では長寿で亡くなった方の葬儀に赤飯が振舞われるそうです。葬儀で赤飯を出す起源ははっきりとはわかりません。ただ江戸時代からはもうあったようです。理由のひとつは長野のような長寿者の場合に、こんなに長生きできたことはむしろおめでたいと考え、その長寿にあやかろうとすることのようです。また浄土真宗では亡くなった方は極楽浄土に行くのだから祝うべきとの考えもあるようです。このような祝いの考えのほかに、小豆の赤は邪気を払うので災いを転じて福をもたらしてくれるようにとの『縁起直し』の意味もあるとされていました。また古来、赤米を食べていたのでその苦労を忘れないためとの説もあるようです」

回答にもあった古代の赤米の話も出たが、興味深いのは赤飯を出す理由だ。災い転じて福となすという言葉もあるが、それを地で行く理由とは思わなかった。

「とにかく『お葬式に赤飯』はかなり広く分布していました。しかし業者さんの話をお伺いすると、葬式で赤飯はここ20年ほどの間に徐々に減ってきているそうです。それはもともと葬式に赤飯をだすという風習があった地域でも同様だそうです。ちなみに減ってきた原因は、葬儀が自宅ではなく、葬祭場で営まれるようになってきたことがいちばんに挙げられています。つまりお食事をご準備する必要がなくなったということでしょう。日本の葬送は大きく変化を遂げました。新しい風習が生まれるということは、それまで存在していた風習が風化していくことでもあります。良いか悪いかは別として、少し寂しい気はしますね」

地方独自の風習が減りつつあるという葬儀アドバイザーのお話に、若干の寂寥感を覚えてしまった。しかし、先日の報道では自宅葬が見直されてきているという。そうなれば、消えかかってきている地方の風習も残っていくことになるのかもしれない。筆者としては、それを期待したいものだ。

専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

ライター 与太郎

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)