公演後、報道陣に対応する畑中葉子=東京・「劇」小劇場(撮影・金田祐二)

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 21日に肺炎のため亡くなった作曲家で歌手の平尾昌晃さん(享年79)の訃報を受けて、1978年の大ヒット曲「カナダからの手紙」をデュエットした歌手の畑中葉子(58)が23日、都内で会見し、平尾さんとの思い出を涙ながらに語った。同曲の歌詞を引用し、「『あなたの居ないひとり旅です』とあるのが、現実に…」と肩を落とした。

 恩師の訃報に触れてから一夜が明け、畑中が悲痛な胸中を吐露した。舞台「Nostalgia」に出演後、報道陣の取材に対応。2015年9月の「ウエスタンカーニバル」公演に平尾さんが出演した際、対面したのが最後になったといい、「先生のご体調が良くないことは存じ上げてました。もうお会いすることができないかもと、覚悟していたところはありました」とうなだれた。

 畑中が中学2年のとき、引っ越し先が平尾さんの自宅近辺だったことが縁で、平尾さんが開いたミュージックスクールの生徒となり、新人ながら「カナダ-」のデュエット相手に抜てきされた。NHK紅白歌合戦にも出場し、一気にスターダムに駆け上がった。

 来年は発売から40年の節目だったが、「歌詞の中に『あなたの居ないひとり旅です』とあるのが、現実になってしまいました…。これからも大切に歌わせていただきたい」と涙を浮かべ、唇をかみしめた。

 16歳で父親を亡くしている畑中にとって、平尾さんは「父親のように思っていた存在」と回想。初婚の相手は平尾さんの弟子で、離婚したときには「何だよ!!しょうがねえな」と励まされたという。今年の正月には、平尾さんから直筆で「いつもありがとうね」とお歳暮の礼状が届いたことも明かした。

 「デビューが18歳で、1曲目でヒットして鼻が高くなって、平尾先生にもたびたび失礼な態度があったと思います。結婚し、子育てをして、先生の偉大さを感じるようになったことをお伝えできないまま、お別れになってしまいました」。恩返しをせずに迎えた“デュエット解消”に、後悔の念を募らせていた。