ハイヒール・リンゴ

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 この夏、子どもたちの、自宅学習用の教材として話題をさらっているのが「うんこ漢字ドリル」(文響社)シリーズだ。例文の全てに“うんこ”という言葉を使い、シリーズ累計200万部を超える大ヒットとなった。だがそんな風潮に「面白ければいいってもんじゃない」と一石を投じたハイヒール・リンゴ。「子どもたちが『う○こ』で育つ」ということに、疑問を投げかけた。またこうした言葉は、すぐに笑いを取れることから、自身が手がける女性若手芸人イベントでは、下ネタ禁止令を出していることも明かした。

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 「うんこ漢字ドリル」が流行っています。子どもって「う○こ」「ち○こ」が大好き。「う〇こ」「ち〇こ」で絶対に笑うんですよ。でも私はそれを勉強に使ったらダメだと思うのです。勉強が楽しくなるから?一部の天才以外は、勉強なんて楽しくないんですよ。私も泣きながら漢字ドリルやってたし、そんなもんですよ。「こんなもん、何の役に立つねん」とブツブツ言いながら、それでも必死でやるのが勉強だと思います。

 それを喜ぶから「う○こ」!?こんなこと言うと「あんたは子どもがおらんから!どれだけ勉強させようと、親が必死になってるか!」って怒られそうですが、子どもがいようといまいと、我々の将来、日本の未来はこの子どもたちが作っていくんです。そんな子どもたちが「う○こ」で育ってはあかんて。「政府が“う○こ”のことについて発表した」とか、例文は確かに面白いですけど、面白ければいいってもんでもないでしょ。

 我々も同じ。「う○こ」「ち○こ」と言えば、すぐに笑いが取れる。ゆりやんレトリィバァのネタで「○○って丸いやん、丸いってキン○マやん」というのがあるんですけど、これ「キン○マ」が「チン○ン」になったらもう笑われへん。吉本新喜劇の島田珠代の「ち〜ん」というギャグもギリギリ(笑)。センスの問題なんです。

 形の出来上がった芸人さんが下ネタを言うのはいい。彼らは完成されているから。でも若手がやるのは違う。下ネタに走ったら損だと思うんです。簡単に笑わせられるから。だから私も、自分がやってる『女芸人大祭り』という若手のイベントでは、下ネタ禁止令を出しました。まずネタで笑わせる、下ネタはその次の手段だと。

 そのことをラインで回したら、全員既読は付くけど返事はない。ようやく堀川絵美ちゃんから勇気を振り絞って「わかりました」って返信がきた。それに対してソーセージが湯船につかっているお疲れ様ってスタンプで返したら、尼神インターの渚が速攻で「姉さん、それ下ネタですやん」ってきました(笑)。下ネタは奥が深い。

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 ハイヒール・リンゴ 1961年8月9日生まれ、大阪府枚方市出身。NSC1期生。モモコとコンビを結成し83年デビュー。95年上方漫才大賞受賞。テレビでも多くのレギュラーを持ち、その司会術や仕切りのうまさには定評がある。10年から大阪学院大学で金融論を学び、名誉博士号を授与される。