参加女性が全員マッチングした全国初の「子どもと一緒に参加できるシングルマザー限定婚活イベント」について、詳しい話を聞いた。

シングルマザー限定婚活ツアー

長野県下伊那郡泰阜村で今月上旬、「母と子の豊かな田舎体験婚活ツアー」が開催された。

「on the leaf.」HP

同村在住の男性と関東在住のシングルマザーの恋の橋渡しを手伝うという、1泊2日の婚活ツアー。

「子どもと一緒に参加できるシングルマザーの方限定」という、全国でも初のイベントだったという。

女性参加者が全員マッチング

開催したのは、東京都の企業「ウェブユニオン」が運営する結婚支援事業「on the leaf.」と、「社会福祉法人泰阜村社会福祉協議会 成婚リンクやすおか」。

ツアーには、「30〜50代のシングルマザーで、良い人がいれば将来お嫁に来られる方」という条件で募集した、20代後半〜40代半ばのシングルマザー4名が参加した。(5名参加予定だったが、子どもが熱を出したなどの理由で、1人キャンセルしたという)

集合場所のバスタ新宿までの交通費は自己負担となるが、そこからは、交通費、食費、宿泊代を含めて参加費は無料。

「WEB UNION」Press Release

地元の30代半ば〜50代前半の男性6名との婚活ツアーを開催したところ、プログラム終了後のカップリングで、なんと女性参加者が全員マッチングした。

「シングルマザーの貧困」を知り企画

全国初のイベントはどのような経緯で実現したのか、同プロジェクトを企画したウェブユニオンの新居和也さんに話を聞いた。

新居さんは10年間結婚相談所で勤務していた時に、提携していた働くママを応援するNPO団体の人から「シングルマザーの貧困」や「そこから派生して生まれる幼児虐待」などが大きな問題になっていると聞く機会があったという。

そこからシングルマザーについて色々と調べたところ、やはり経済的に楽ではないという記事も多く、そういったシングルマザーの方に婚活を通じてライフチェンジの選択肢を増やしたいと思うようになりました。

現在、日本には約120万人のシングルマザーがいるが、彼女らの年収は全国平均のたった40%。7割以上のシングルマザーが家計が苦しいと訴えている。

「人口減少している地域」に着目

開催にあたっては、子どもがまだ小さく預ける場所がないと参加できないという人にもできるだけ参加してほしいと、「子どもも一緒に参加できるイベント」にしたいと考えた。

そうなるとお子さまの分も負担していただかなければならなくなり、参加費は1人分よりも上がってしまい、経済的に余裕がないシングルマザーの方は参加出来ないイベントになってしまうという問題に直面しました。

そんな時、前職で「人口が減少している地域の男性」と「全国の独身女性」を引き合わせる婚活イベントを開催していたことから、地域の担当者に「シングルマザーの方の移住をどう思うか?」と聞いたところ、どこの自治体もこう答えてくれたという。

「移住してもらえるのは嬉しい、お子様も一緒となるとより嬉しい」

そこで、イベント開催にあたって地域おこしプロジェクトの予算で受け入れてくれるところがあるのではないかと考え、子育て支援や移住支援に力を入れている自治体にシングルマザーを対象としたイベントは可能かと聞いて回った。

「そういったイベントの開催は前例がない為難しい」との答えが大半でした。

その中で唯一今回の長野県泰阜村の担当者、橋本様だけが面白そう、出来るかもと前向きに考えてくれたのが開催につながるきっかけでした。

そうして、経済的に余裕がないシングルマザーでも気軽にライフチェンジを体験できる「参加費無料」の同ツアーが実現した。

「on the leaf.」HP

開催にあたっては他にも「子どもも楽しめること」「子どもと一緒に参加することで、相手の男性を子どもの目からも見てもらうこと」「男性参加者には、シングルマザーと付き合うとどういう雰囲気になるのかを出会った段階で知ってもらうこと」などにこだわったという。

「移住生活」を想像できるツアーに

ツアーでは参加女性と子どもは現地到着後、まずは同村近辺の街にある店舗や教育・医療環境、地元の住まいなどを見学した。

泰阜村付近の街にある食材や日用品が買える場所、教育や医療環境、地元のご自宅訪問やマンション見学などの実際にお子様と移住するとなった際知っておきたい情報や移住してからの生活が具体的に想像できるツアーを行程にいれました。

その後、男性参加者と対面。

最初の男性とのご対面は通常交流会をする会場だったりするのですが、今回は野外の大きなレジャー施設にし、そこで参加者様とお子さまが楽しめるような内容を組み込みました。

その後、ドリームボブスレー体験や村内見学、食事会や体験プロジェクト、川遊びなどで交流を行った。

農林や林業に害をなし、「有害鳥獣」と呼ばれ殺処分されている野生の獣たちの皮を暮らしの中で使っていく事で獣の命に感謝し尊さを教える『けもかわ体験』をプログラムの一つとして入れました。

参加者同士の距離を縮める為の行程としてもそうですが、こういった命を教えるイベントをお子さまにも体験してもらうことも工夫しました。

提供:WEB UNION

雰囲気を具体的に感じ、カップル率に貢献

なぜ「女性参加者全員マッチング」という結果につながったのか。

参加男性の皆さまが女性はシングルマザーの方と知っていてそれを受け入れて参加して頂いた事は理由の一つとして大きかったのかなと思います。

また、コミュニケーションを取りやすくカップリング率の上がる体験型プログラム(けもかわ体験)などを採り入れたのも効果があったとした上で、こう語った。

女性参加者がお相手が出来た時の雰囲気を具体的に感じてもらえたのが最大の理由だと私は感じています。

お子さま連れのイベントという事で通常の婚活パーティーより女性参加者の荷物が多かったのですが、イベントの移動中、男性参加者が率先して荷物を持ってあげたり、男性参加者とお子さまが仲良くなりお子さまがはしゃいでいる場面を何度か見かけました。

シングルマザーの参加者の方がそういった場面を見たり体験したりする事で、お相手がいる事の良さを再認識して頂けたのではと考えています。

「on the leaf.」HP(宿泊場所)

シングルマザーの「きっかけ」や「選択肢」に

新居さんは、同イベントを通じてシングルマザーの「きっかけ」や「選択肢」を増やしたいと考えているという。

こういったイベントに参加する事が良いことなのか、幸せなのかというのはご本人様にしか分かりません。

ただこういったイベントを開催する事で、シングルマザーという事で負い目を感じていたり、出逢いに臆病になっていたり、子育てやお仕事に追われて余裕がなくなってしまったりしている女性がもしいるのであればそういった方達に、未婚の女性と同じような『きっかけ』や『選択肢』を増やしてあげる事が出来ればと考えています。

今後のビジョンを聞いた。

今回のイベントは本当に初の試みでしたが、今回婚活イベントとしては全員マッチングをしたという嬉しい結果になりましたし、今回のカップルになったシングルマザーの方が泰阜村に移住してもらう事になれば素晴らしい前例になると考えています。

現在は泰阜村にて同参加者を対象にした花火大会ツアーを月末に開催する事しか開催予定はありませんが、このイベントをきっかけに全国の市町村でもこういったイベントを企画できるようになり、シングルマザーの方の人生の選択肢がより増える事を願っていますし、我々もそうなるように各自治体様に働きかけていけたらと考えています。

提供:ウェブユニオン