イタリアの名門ブランドを守るため!? ドゥカティ買収にベネトンも名乗りを上げる
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が売却しようとしているイタリアのオートバイ・ブランド、ドゥカティの買収競争に、イタリアのベネトンも参加するようだと、ロイター通信が伝えている。情報筋によれば、ベネトン・ファミリーの持ち株会社の投資を行うエディツィオーネ・ホールディングスは、フォルクスワーゲン・グループのアウディが所有しているドゥカティの価値を12億ドル(約1,330億円)と試算しているという。

エディツィオーネ・ホールディングスの他にも、スノーモービル「SKI DOO」のメーカーであるBRPの株を保有する米国のバイアウト専門ファンドのベインキャピタルや、インドのオートバイ・メーカーであるアイシャー・モーターズ、バジャージ・オートも入札に参加しているようだ。アイシャーは世界最古といわれるオートバイ・メーカー、ロイヤル・エンフィールドを所有する企業だ。その他にも、米国のポラリス・インダストリーズも入札に参加する可能性があるが、同社は今年の初めにヴィクトリー・モーターサイクルズのブランド廃止を発表している。

2つの情報筋によると、ドゥカティをめぐる"オークション"の第2ラウンドに参加する企業は、22日には選出されるとのこと。フォルクスワーゲンのアドバイザーであるEvercoreには、プライベート・エクイティ・ファンドであり、ドゥカティの以前のオーナーであるInvestindustrialや、CVCキャピタルパートナーズ、アドベント・インターナショナル、PAIパートナーズなど、高値を付けそうなプレイヤーを含む長い入札者リストがあるという。

第2ラウンドに入った場合、スーパーバイク選手権で14度もタイトルを勝ち取り、カール・フォガティやトロイ・ベイリスが活躍したイタリアの名門2輪車ブランドを買収するために、エディツィオーネ・ホールディングスは、金融機関系投資家と合弁会社をつくる可能性もあると、2つの情報筋は伝えている。

アウディ、エディツィオーネ・ホールディングス、インベストインダストリアル、アドベント、PAIはコメントを差し控えており、関心を示している他のグループからはまだコメントを得られていない。

価格の難題

ドゥカティの最高14億ドル(約1,560億円)という評価額は、およそ1億ユーロ(約130億円)に及ぶ中核利益の10倍以上とみたものであると情報筋は話しているが、これは買収ファンドによっては無理な水準である。同じオートバイ・メーカーであれば期待できる相乗作用が見込めないからだ。しかし、ある情報筋によれば、2012年にドゥカティをアウディに約8億6,000万ユーロ(当時のレートで約910億円)で売却したインベストインダストリアル創業者のアンドレア・ボノミ氏は、買い戻しを本格的に検討しているという。

中国のロンシン社は、ハーレーダビッドソンと並んでドゥカティに当初興味を示した2輪車メーカーの1つである。ハーレーはドゥカティの価格がネックとなり入札に参加しないことを決めたというが、ロンシンが参加したかは不明。ハーレーとロンシンからはまだコメントを得られていない。

昨年の売上高が7億3,100万ユーロ(約950億円)だったドゥカティをうまく売却できれば、VWのマティアス・ミュラーCEOが同社の拡大路線を翻すことに本腰を入れている証となるだろう。しかし、ドゥカティを手放すためにはVWの強力な労働組合の賛同が必要となる。同労組は、20人から成る強大なVW監査役会の半数を押さえているが、売却への反対を最近再び表明したのだ。ある情報筋によると、VWは値段だけでなく、誠実な取引が結べること、労組から肯定的な反応が得られることなど、他のいくつかの要素も考慮の上で最終判断を下すよう求められているという。

By Reuters

翻訳:日本映像翻訳アカデミー