■不安と期待が入り混じった実写版『銀魂』が2位スタート

 小中学生の夏季休暇も目前となった7月15、16日。この期間の全国映画動員数ランキングが18日に発表され、実写版『銀魂』が2位スタートとなった。15日には『銀魂』の他に『ポケットモンスター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『メアリと魔女の花』なども揃い、人気作品による激戦が予想されていた。あまり期待されていない側面もあった『銀魂』だが、実際に鑑賞してみると2位になれるだけの力を秘めているのがわかってきた。

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■『銀魂』と福田監督の世界観が見事に融合

 『銀魂』は『週刊少年ジャンプ』にて2004年から連載がスタートした人情コメディ漫画で、2016年5月には累計発行部数5,000万部を突破している。同作の実写化は難しいと言われていたが、『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一の監督によって上映される運びとなった。

 実写版『銀魂』では、出だしから銀魂ワールド全開の展開となっていた。新八(菅田将暉)が殴られると同時に特殊なエフェクトが入ったり、彼の窮地を助けた坂田銀時(小栗旬)も原作通りのマイペースっぷりを発揮。さらに甘党という設定も忠実に再現されており、同じ万事屋で働くことになる神楽(橋本環奈)にもいじられるシーンが含まれていた。

 また、各キャラクターの濃い設定も忠実に再現されている。特に、新選組メンバーの中でもマヨラーで知られる土方十四郎(柳楽優弥)や、新八の姉である志村妙(長澤まさみ)のストーカーでゴリラ顔の近藤勲(中村勘九郎)はいい意味で壊れキャラとして際立っていた。

 さらに、『33分探偵』に出演していた堂本剛が高杉晋作役で登場。彼は自分たちが生きる世界を壊す存在として、シリアスな役どころ。笑いだらけの映画かと思いきや、高杉晋作や妖刀にとり付かれた岡田似蔵(新井浩文)の存在もあってメリハリのある映画となっている。

■福田監督らしい笑いのエッセンスがてんこ盛り

 実写版『銀魂』では世界観の再現よりも、本作らしい笑いのエッセンスを福田監督自身の表現によってさらに尖らせたような作品となっていた。たとえば、原作でもよく使われている「第四の壁」破りも忠実に再現。メタ発言を観客に訴えるシーンは、本作の中でも見どころの1つとなっていた。

 また、各配役のキャラクターに合わせて笑いを追加しているのもポイントだ。たとえば、近藤勲役の中村勘九郎は劇中で歌舞伎を舞ったり、妙役の長澤まさみはいきなり『ドラゴンボール』の朗読で劇場を爆笑の渦に巻き込む。

 さらに、福田監督らしいパロディも随所に盛り込まれている。特に、『風の谷のナウシカ』のパロディは出演している早見あかりやムロツヨシの掛け合いと相まって笑いをこらえるほうが難しい。ほかにも、福田作品には欠かせない佐藤二郎の演技もバッチリ収められている。

 原作ファンだけでなく、パロディネタが好きな人や福田監督ファンならば満足できる作品となっている『銀魂』。見どころ満載の作品と言ってもいいだろう。