市販を熱望!アウトドアの楽しさを広げる“お手軽”キャンピングカー「CX-5 ポップアップルーフ」

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「夏は、キャンプやバーベキューなど、クルマで出掛けるアウトドアアクティビティが楽しい季節…」と書こうしてやめました。最近は、施設やクルマの進化・充実もあって、1年中アウトドアを楽しめるようになりましたからね。

そんな身近になったアウトドアライフの相棒として、今、注目を集めているのがキャンピングカー。ここ数年、軽トラックや商用バンなどをベースとした手頃なモデルが多数リリースされており、キャンピングカー市場が盛り上がりを見せています。

とはいえ、ロングドライブや日常使いなどを考慮すると、やはり乗用車をベースとしたキャンピングカーの方が扱いやすいのも事実。その一方、荷台に居住部分を搭載するタイプよりも車体の加工箇所が多くなるため、工作精度が問われる上、新車がベースだと納車までの時間やお値段も気になります。

でもご安心を。そうした不安や問題を解決してくれる新感覚キャンピングカーが、マツダE&Tから登場しそうなのです。

キャンピングカー本体をご紹介する前に、作った会社=マツダE&T社について軽くご紹介したいと思います。

同社はその名のとおりマツダの系列会社で、“E&T”とはエンジニアリング&テクノロジーの意味。クルマの実験や開発、製造など、その事業内容は多岐にわたりますが、私たちにとって結構身近な事業としては“福祉車両”や“教習車”といった特装車の開発・製造が挙げられます。

そんなマツダE&Tが、2017年のジャパンキャンピングカーショーに出展したのが、マツダのSUV「CX-5」をベースとした1台の試作車。「CX-5 ポップアップルーフ・コンセプト」と名付けられたそのクルマの開発コンセプトは「走って、曲がって、“泊まれる”SUV」。

写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この試作車、かつてマツダが生産していた「ボンゴ フレンディ」のオートフリートップ仕様と同様、ルーフの上にテント状のポップアップ式ルーフを備えたキャンピングカーなのです。

ユニークなのは、そのベース車両。CX-5はCX-5でも、実は先代モデルを採用しているのです。「なぜ?」と思われる方も多いかと思いますが、実はこの車種選択こそ、ユーザーにとって大きなメリットをもたらしてくれるのです。

まず、大ヒットした初代CX-5ですから、ユーズドカー市場での流通量がふんだん。程度の良いベース車両を確保しやすく、新車に比べると購入金額を抑えることができます。また、エンジンやシャーシなどには、現在のマツダ車にも通じる新世代技術“スカイアクティブテクノロジー”が採用されているので、定評ある気持ちのいい走りも楽しめるのです。

肝心のポップアップルーフは、車内から出入りできるよう、ベース車であるCX-5の天井部分を一部切り取って装着されます。マツダ直系の特装車メーカーらしく、加工精度が高いのはもちろん、十分な車体剛性を確保するなど、徹底した作り込みがなされているのはいうまでもありません。まるで純正オプションのような仕上がりは、いわゆる“後付け”パーツとは一線を画すもので、初めてキャンピングカーを手に入れるユーザーにとっても、安心感は絶大でしょう。

また、CX-5のルーフラインにピタリとフィットする、曲線を生かしたルーフトップの形状も「さすが!」と思わせる部分。車高も1790mmと低めに抑えられており、地下駐車場などで見かける「地上高2.1m制限」も余裕をもってクリアすることができます。

試作車とはいえ、高い完成度を持つCX-5 ポップアップルーフ・コンセプトですが、その開発に当たっては、苦労も少なくなかったとのこと。

例えば、先代CX-5のルーフ長は約1.5m。大人が横になることを考えると、やはり1.8mほどの長さを確保したいところです。そこで、トップ部分が斜め前方に持ち上がるような構造を採用。ポップアップルーフの展開時には、2階部分の床面を前方に30cmほど拡大できるようにしています。これによりポップアップルーフの室内は、全長180cm、幅90cmと、大人と子供がひとりずつ横になるのに、十分なスペースを確保しています。

それでは早速、2階のルーフベッドに潜りこんでみましょう。開閉操作はシンプルな手動式ですが、展開をサポートするダンパーが装着されているので、軽く上に押し上げるだけで、簡単に一番上まで開きます。

2階へのアクセスは、リアシートを倒したラゲッジスペースからになりますが、ミニバンに比べると後席部の室内高が低いこともあって、大人なら難なく上ることができます。ちなみに、身長180cmの筆者が開口部で立ち上がると、2階部の床面は腰の辺り、といった感じで、上り下りも不安のない高さ。5〜6歳のお子さんでも、フロントシートの肩の部分に足をかけることで、簡単に上ることができるそうです。

ちなみに、試作車では、倒したリアシートの背面とラゲッジスペースの床面がフラットになるよう、床下の厚みが調整されているので、後席と荷室部をベッド代わりに使う際も、快適に横になることができます。

2階部に収まると、そこでの視界はまるで、アウトドアテントの中にいるかのよう。そして、サイドから後部にかけてメッシュが張られた開口部があるので、実際のサイズよりも広々と感じます。スペック的には「デイキャンプ程度かな?」と思っていましたが、これなら数泊にわたるロングドライブでも快適に過ごせそう。

そして何より、車体サイズは全高以外、CX-5と変わりませんから、“キャンピングカーの置き場所を探してうろうろ…”することもなく、お好きなところで休むことができます(もちろん、キャンプ禁止や駐車禁止の場所に泊まるのは厳禁ですよ)。

さて、この魅力いっぱいのCX-5ポップアップルーフ・コンセプトですが、販売については現在のところ、未定とのこと。とはいえ、架装方法や販売方向についての調査・検討を進めており、オーナー予備軍からのラブコール次第では、近いうちに販売される可能性が高そうです。

なお、気になる価格ですが「軽自動車の新車と、ミニバンをベースとしたポップアップルーフ車の中間程度で実現したい」とのこと。アウトドア派にとっては、今後の動向が気になる1台になりそうです。

(文&写真/村田尚之)