女優・織田梨紗、出演2作目で主演に抜擢「強い女性に憧れがあるんです」

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「“戦わないことが正義”というメッセージを感じてほしいですね」

 こう話すのは女優・モデルの織田梨沙さん。もうすぐ終戦記念日(8月15日)を迎える――。1945年、太平洋戦争末期における激戦地のひとつとされる沖縄。戦火から遠く離れた小さな島で、だれも殺さない臆病な米兵と、敵と戦わない卑怯な日本兵、そして2人を見つめる少女の物語。8月4日(明日)より公開される映画『STAR SAND―星砂物語―』。

 脱走兵である日本人・岩淵隆康役には満島真之介さん、米兵・ボブ役にはブランドン・マクレランドさんなど、実力派が名を連ねる。主人公で日系アメリカ人の母親をもつ16歳の少女・梅野洋海役を演じるのは織田梨沙さんだ。

 ファッション系のモデルとしても活動する彼女。女優として映画に出演することは2度目ながら、今回は主役に抜擢。その心境や撮影の裏側、本作の見所を聞いてみた。

◆映画で描かれる平和への祈りと未来への希望…

<殺さないことは、臆病だった。戦わないことは、卑怯だった。平和を願うことは、危険だった>

 1945年4月、米軍が沖縄本島に上陸。戦争当時の価値観として、“戦わないことは裏切り”であった。しかし、戦うことが嫌になり軍を離れた「裏切り者」同士の日本兵と米兵が離島の洞窟で出会い、心を通わせていく。彼らの世話役となり、ときには通訳となって間に入る重要な役割を担うのが主人公の少女・洋海だ。

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――今回の映画『STAR SANDー星砂物語ー』では、主演女優に抜擢されました。まずは、その心境を教えてください。

織田梨紗(以下、織田):女優歴としてはまだ1年半から2年未満ですが、モデルの仕事だけではなく、お芝居にも挑戦したいと考えていたので、主演に抜擢された瞬間は本当にうれしかったです。いろんな先輩女優さんを参考にしながら、これからもっと勉強していきたいと考えています。

――織田さんは昨年、映画に初出演ながら、身体を張った演技で話題となりました。そして今回は、日本語だけではなく、流暢な英語を話す少女という役。挑戦心が必要だったと思うのですが。

織田:そうですね。これまで自分では意識していなかったのですが、いま振り返ると幼い頃から好奇心が強かったんだと思います。家のなかでゲームをしたり、いわゆる女のコらしい遊びよりも、お兄ちゃんと外で缶蹴りをしているほうが楽しかったり……そう考えると、挑戦心もあるのかなって思います。

――では、主演として演技を終えてみて、1年前に映画初出演したときに比べて自分でも成長を感じたことは?

織田:前回は、初めての映画の撮影だったので、演技をするだけで精一杯な部分は正直ありました。動きながら、同時に様々なことを注意しなければないので……。でも今回は、セリフにも強く気持ちを込められるようになったと思います。

――まさに、迫真の演技でした。セリフでは、ブランドンさんと英語で会話をするシーンも多かったと思います。

織田:セリフは英語の意味をわかったうえで言わなければ、相手(米兵のボブ=ブランドンさん)にも気持ちが伝わらない。正しい発音はもちろんですが、その言葉がどういった意味なのか理解することが大事だと考えていました。

――とはいえ、今回の作品ではネイティブの英語と思わせるほどの発音でした。

織田:ロジャー・パルバース監督の指導のもと、本当に何回も練習しました。「日本語訛りの英語は認めない」という方でしたので。家でも発音を繰り返して、必死に覚えました。

◆“言葉の理解できない2人が通じ合う瞬間”を見てほしい

 卑怯者こそが、平和の実践者――。当時は「国のために戦え」という価値観が当然とされていた。この作品は、今を生きる私たちに鋭い問いを投げかける。

「生きてあれ」

 そして、戦時中の少女という難しい役どころを見事に演じきった彼女。ファッションモデルもこなし、女優まで活動の幅を広げているが、どこかミステリアスな雰囲気も漂う。今回の洋海役を終え、インタビューでは“織田梨沙の素顔”も垣間みられた。

――今回の映画では16歳の洋海役(織田さんは現在21歳)。演技をするときに意識していたことを教えてください。

織田:感覚的な部分なので説明が難しいのですが、“現代の16歳と戦時中の16歳では違う”、ということを常に意識しながら演技していましたね。

――ちなみに、織田さんが16歳のときはどうしていましたか?

織田:当時はまだモデルになりたてだったので、たくさんファッション雑誌を買ってポージングの研究をしていました。

――撮影中の思い出や印象的な出来事はありますか。

織田:映画の冒頭の海中で泳いでいるシーンについてスタッフ間で議論があって。最終的には監督が悩んだすえに決めたのですが、全員が真剣に意見をぶつけあうのを目の当たりにして。それは、“みんなで良い作品にしよう”という気持ちがあるからこその出来事でした。そのとき、この作品に携わることができて、本当に良かったと思いました。

――では、大変だったことを教えてください。

織田:じつは、大変だったことはなかったかもしれません。もちろん、演技やセリフは大変なのですが、ツラいと感じたことは一度もありません。洞窟の中での撮影だったので、涼しくて、神秘的で。もともと自然が大好きなんですよ。撮影スケジュールは詰まっていましたが、丸々一日ということはなかったので。空き時間があれば、きれいな海を眺めたり、島内を散歩してみたり。以前、家族旅行で沖縄に行ったこともありましたが、そのときはダイビングをして楽しんだり。いまの平和な沖縄が好きですね。

――織田さんにとって、今回の映画で好きなシーンや見所は?

織田:いちばん好きなのは日本兵の隆康と米兵のボブがお互いのヒゲをじゃれあいながらシェービングしているシーンです。それまでは少し敵対心が残っていて、言葉も理解できない2人が、心が通じ合った瞬間。ようやく笑顔が見られて。しかも、通訳の洋海がいないときだったので、なおさら印象に残っていますね。

――最後に、女優という仕事のやりがい、今後はどんな役に挑戦してみたいか教えてください。

織田:じつは、アクションがやってみたいんです。スポーツとかカラダを動かすことが好きなので。いわゆる“強い女性”に憧れがあるんです。あとは、すごく頭がキレる役とか、映画のなかでは現実の自分とは少し違う風にもなりたいなって。変身願望に近いのかもしれません。だから、女優という仕事の楽しみとしては、“その瞬間なりたい自分に近づける”ことかな。

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<取材・文/藤井敦年、撮影/林紘輝、ヘアメイク/内藤歩、スタイリング/杉本学子、衣装協力/サンエー・ビューティーN.>