加計学園問題などを抱え、支持率の下落に歯止めがかからず、「危険水域」とされる30%を割った安倍晋三首相。これに中国や韓国のメディアは「退陣を語るのは時期尚早」「1次内閣危機と類似」などと反応している。写真は日本のサラリーマン。

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2017年7月21日、加計学園問題などを抱え、支持率の下落に歯止めがかからず、「危険水域」とされる30%を割った安倍晋三首相。盤石に見えた政権が直面している重大な危機に、中国や韓国のメディアは「退陣を語るのは時期尚早」「1次内閣危機と類似」などと反応している。

中国共産党中央委員会機関紙・人民日報は内閣支持率が低下した要因について「これまでの日本政界の歴史では政治スキャンダルは政権の前途に大きな影響を与える」と前置き。「とりわけ加計学園スキャンダルで安倍内閣メンバーの干渉が浮上したことで、クリーンな政治を望む日本国民は極めて大きな不満を抱いた」との専門家も見方を紹介した。

安倍内閣の前途に関しては「退陣を語るのは時期尚早だ。自民党内に安倍首相の地位を真に揺るがすことのできる候補者はまだ浮上していない。他の野党も政治的影響力で拮抗(きっこう)するのは難しい」と指摘。その一方で「自らの政治的地位も揺らぐ中、安倍氏が改憲を順調に推し進められるかどうかは極めて未知数だ」と論評している。

辛口で知られる環球時報は「安倍首相の支持率低下は中国と関係ないようで関係あり」との社説を掲載。15年の武装勢力との大規模交戦で多くの警官が死亡した事件に関連して起訴の可能性があるフィリピンのアキノ前大統領、かつてないほどのダメージを受けているシンガポールのリー・シェンロン首相、拘置所暮らしが続いている韓国の朴槿恵前大統領と並んで安倍首相に言及し、「いずれも対中関係において過激な路線を歩んだ」と非難した。

その上で「中庸の道を外れて米国のすねをかじり、近くの中国に対して極端な行動を取ったことは彼らの致命的な政治的幼稚さを表す」と強調。「その幼稚さが必然的に国内問題を処理する時にも見え隠れする」としている。

韓国のハンギョレ新聞は東京特派員発で「最近まで鉄壁と見られていた安倍内閣の急な危機は、安倍首相が自身と近い人々に特典を与えた疑惑が濃厚な学園スキャンダル、閣僚の相次ぐ妄言と失言、共謀罪強行処理のような右派的政策の強行が複合的に作用した結果だ」と解説。「安倍1次内閣が06年から07年の1年間を満たせずに失脚した時と、多くの面で似ているように見える」とした。

半面、「安倍内閣は1次内閣に比べて有利な政治的環境を享受している。決定的な違いは『代案の不在』だ。民進党の支持率は10%にもならず、自民党の代案にはならない」とも説明。「東京都議選で地域政党『都民ファーストの会』を率いて圧勝した小池百合子都知事が中央政治に復帰しても、安倍首相と連帯する可能性がある。小池知事が安倍首相を抜いて『ポスト安倍』になる状況が広がっても、右派政権の性格は変わらない可能性が高い」とみている。

中央日報は日本メディアの世論調査結果を引用して安倍内閣の支持率急落を詳しく報道。「執権自民党内で退陣論が本格的に提起されるだろうとの見方が日本政界で着実に出てきた」と伝えている。(編集/日向)