ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット主演の「エターナル・サンシャイン」や「恋愛睡眠のすすめ」など、幻想的な映像やおもちゃ箱をひっくり返したような独特の映像を作り出すことで知られるミシェル・ゴンドリー監督が、iPhone 7だけを使って撮影した短編映画をYouTubeで公開しています。

Détour - A film by Michel Gondry - YouTube

映画は「Détour(回り道)」というタイトル。じわじわと手描きの文字が地図上に現れますが、iPhoneでの撮影はここから始まっています。



家族旅行に出かけようとする一家。父親が車に荷物を積み込んでいますが……



既に準備を終えている長女は車の中で優雅に日記を付けています。



目にも止まらぬ速さで家とトランクを往復し荷物を積んでいく母親。



ようやく扉を閉めたところで……



「私の自転車も持っていける?」と赤い三輪車を差し出す少女。



重なる自転車の端に無理やり三輪車を取り付けて準備は完了。



ようやく出発します。



車が段差を踏む度に……



車は大揺れ。



すると、ガクン、と三輪車が大きく動いてしまいます。嫌な予感が……。



さらに段差の上を通ると……



今度こそ三輪車が車から落ちてしまいました。



誰からも気づかれることなく道ばたに置き去りにされた三輪車の、寂しそうな後ろ姿……。



そんななか、突如巨大な段ボールを持った2人組が登場。



段ボールは輪っか状になっており、中に入った2人は段ボールを転がして進めていきます。



ぐるんぐるん回るカメラ。





すると、三輪車が押されて……



進み出しました。



大きな車道のすみっこで、車が走り抜けた際の風を受けて、キコキコと音を立てながら少しずつ進みます。



風がやむと一旦止まってしまうのですが……



ぐわっと車が横を通る度に……



勢いを付けてすすみます。



一方、一家はガソリンスタンドに。



謎の体操をしている3人。



次女が何かに気づきました。



「三輪車がない!!!」





「お前にあの三輪車はどのみち小さすぎる」という父の言い訳に怒りながらも、三輪車を探しに戻るわけにもいかず、その場を離れることに。



「無人島に行きたい」とすねる次女。



一方、そんな次女を追いかけるべく、三輪車は突き進みます。



やがて夕方になり……



一家はテントで眠ります。





三輪車も道ばたでぴたりと動きを止めました。



そして翌日、風に飛ばされたビニール袋が……



自転車のハンドルにうまい具合に引っかかりました。



ビニール袋が風に吹かれる力を利用して自転車が再び進んできます。



なぜか人々の応援を受けながら走り続けます。このあたりになってくると、三輪車がまるで感情を持った生き物のように見えてきて、けなげさに胸を打たれます。



しかし、すぐに崖から落下。



さらに、川の中にも落ちてしまいます。



水流に負け、なすすべもなく流されるままの三輪車。



海へ出て……



静かに沈んでいきました。



これで三輪車の旅は終わってしまうのか?二度と少女に会うことはできないのか?は、ムービーのつづきを見るとわかります。画像からは少し伝わりづらいのですが、随所にさまざまな仕掛けがしてあって、スマートフォンだけで撮影しているとは思えないほどの完成度でありながら、スローモーションやタイムラプス映像など、iPhoneならではの映像も散りばめられています。

なお、この作品がどのように撮影されたのか、というメイキング映像も公開中。

Through the eye of Michel Gondry - Stop motion - Shot on iPhone - YouTube

「THROUGH THE EYE OF MiCHEL GOMDRY」ということで、iPhoneで撮影した目玉の映像を右目に当てつつムービーはスタート。



三脚から伸びる装置でiPhoneを固定しておき、撮影ボタンを押します。



少しずつ文字を書いていき……



ムービーで撮影するのではなく、1枚ずつ写真撮影しています。アニメのようにコマ撮りしたものを最後につなぎ合わせるという手法がとられていました。



最後にアルバム画面の下部にある一覧をスライドさせると、アニメがどのように動くかを見ることができるわけです。