価値ある住宅ローン増加中!賢い選択は?

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マイホームを購入する際に、たいていの人が検討する住宅ローン。そこで気になるのが、住宅ローンの金利だ。

昨年と比較すると、2017年は下げ止まりの感もある。ただ、金融機関同士の利下げ競争は続行中。加えて、最近では住宅ローンにさまざまな付加価値をつけ、バリューアップを図る動きも顕著。

たとえば、最近主要な銀行で取り入れているのが、疾病保障付き住宅ローン。原則として、住宅ローンを借り入れるときは「団体信用生命保険」(団信)に入る。借り手が死亡したり、高度障害に陥ったりした場合、団信に加入していればローン残高をゼロにしてもらえ、返済免除となる仕組みだ。

ただ、ガンなどの重病で働けなくなったときには、団信が適用されない。その点、疾病保障付きの住宅ローンなら、所定の病気で働けなくなったとき、団信のようにローン残高をゼロにしてもらえる。

疾病以外の不安要素に対応する住宅ローンもある。たとえば、モーゲージバンク(住宅ローン専門金融機関)のひとつARUHIは、急に失業した際、保険金でローン返済できるようにする「失業保障特約」を用意している。

また、三井住友銀行の住宅ローンには、災害に見舞われたときに備えて自然災害時返済一部免除特約を付けられる。

ただし、特約を付けると適用されるローン金利が上がるなど、負担が増加してしまう。負担のない付加価値の例を挙げると、たとえば新生銀行では、一部繰り上げ返済手数料が何度でも無料。他の銀行でも、繰り上げ返済手数料無料化の傾向は広がっている。また、イオン銀行ではイオングループでの買い物が5年間5%割引になる特典が付く。

なかでも、ここ数年独自の付加価値を充実させているのが、全期間固定金利の「フラット35」だ。今年4月から、次の点が変化した。

まず「【フラット35】子育て支援型」「【フラット35】地域活性化型」が創設に。若年層の子育て世代など、対象は限定されるものの、該当者は当初5年間のローン金利を0.25%引き下げてもらえる(詳細は今後発表予定)。

さらに注目したいのが、「アシューマブル(債務継承型)ローン」。フラット35で買った住宅を売却する際、売り主は、返済中のフラット35を、同じ条件で買い主に引き継ぐことができる。つまり、ローンごと家を売却できるというわけだ。

アシューマブルローンの利用例はこうだ。仮に住宅売却金額が3000万円で、売り主のローン残高が2000万円だとする。この場合、差額の1000万円を購入者が売り主に支払う。その後、購入者は売り主が組んだフラット35をそのままの金利で引き継いで、2000万円を返済していく。

低金利のときにフラット35でローンを組んで住宅を買えば、金利上昇局面で売りに出すとき、有利になる。購入するほうは高金利の住宅ローンを組まなくてすみ、購入しやすくなるからだ。

なお、利用条件は対象の住宅が「長期優良住宅」であることなど。所定の条件さえ満たせば、特にコストなどを負担することもなく利用できる。

空き家が急増し、今後は多くのエリアで家が売りづらくなることが予想される。こうした付加価値があれば、住宅市場で有利な立場に立てるので、検討してみるのもよさそうだ。

(不動産コンサルタント、さくら事務所会長 長嶋 修 構成=元山夏香)