2017年7月28日は第6回目にあたるプレミアムフライデー(プレ金)です。プレ金は、月末の金曜日は午後3時をめどに仕事を切り上げようという官民一体のイベント。3時には帰れないけど、いつもと違う金曜日にしたいという人も多いのでは。ならば自分自身を振り返る時間にするのはいかがでしょうか。

6月のプレ金、東京・恵比寿にある「寺子屋ブッダ」で東京のキャリアウーマンたちがお坊さんと108の煩悩に向き合うというイベントがアイクリエイトと寺子屋ブッダの共催で開催されると聞きつけ、参加してきました。

不満を黙々と書き出してデトックス

お坊さんの説法を聞き、ココロとアタマのデトックスをしましょうという趣旨のこのイベント。少人数制ながら、用意されていた約10席は満席。和やかな雰囲気の中、大來尚順(おおぎ・しょうじゅん)さんが登場しました。月9ドラマに出てきそうな素敵な雰囲気に、え……本当にお坊さんなの? と思わず煩悩が顔を出しかけます。

超勝寺(山口県)副住職の大來尚順さん

なんてことを考えていると、イベントはアタマのデトックスタイムへ。日頃不満に思っていることを紙に書き出すよう促されます。あらやだ。筆が止まらないー。

配られたメモは仏像ステーショナリーのもの。可愛らしいイラストがあしらわれています。

「みなさんずいぶんとストレスがたまっているようですね。書き出してもらったもの、この不平や不満を仏教では『苦しみ』と言います」と大來さん。「苦しみの根源というのは結局、不満足の心。満足できない。思い通りにならないと思う心が苦しみを大きくするのです」とのこと。

ブッダメガネが登場

「仏教の話が深くなると難しいのでアイテムを持ってきました」と大來さんが取り出したのは、黒ぶちのダテメガネ。

こちらのブッダメガネは伊達メガネとのこと。

「ブッダメガネと名付けました。これをかけると不満が不満じゃなくなるんですよ。……ここは笑うところです」

真面目なトーンで冗談を言う大來さん。これからありがたいお話がくるぞーと構えていた会場の雰囲気が柔らかくなりました。

「このブッダメガネで回心(えしん)を行います。回心とは、苦しみの捉え方を回してあげること。つまり、不満を与える相手の立場になってみるということです。自分の視点、相手の視点。この2つが合わさった時に、今までとは違ったものの見方、考え方ができるようになります。すると、苦しみが感謝の心に変わることもあるんです。とはいえ、不満が大きい時に、相手の立場になるのは難しいこと。なので、メガネを見た時に回心を思い出して、実践してみるというわけです」

なるほどー。というわけで、参加者全員で書き出した不満をブッダメガネで転換していきます。「優秀な人たちに囲まれて、自分なんか……と思ってしまうココロ」には「手本になる人に囲まれて成長のチャンスをもらっている」「またその人たちも同じように苦しんで努力しているはず」と新たな視点を得ることができました。

お坊さんにイベントの感想を聞いてみた

参加者からは、仕事で細かなところが気になって口うるさくなってしまう、離れて暮らす家族が気になる、いろいろと頼まれやすい性格が嫌だ、といった不満の声があがっていました。

イベントを終えた大來さんに感想を聞くと「女性ならではの視点からくる苦しみが多いのかなと感じました。それにどう寄り添っていくかということは、私たちも考えていかなきゃいけないなと、僧侶として考えさせられました」と語りました。

■イベント情報
共催:アイクリエイト・寺子屋ブッダ(まちのお寺の学校ナビ)
グッズ協力:仏像ステーショナリー

※大來尚順さんへのインタビューは7月23日(日)に公開予定です。

(取材・文:ウートピ編集部 安次富陽子)