お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、清川博美さん(仮名・制作会社勤務・28歳)からの質問です。

「8月に初めてハワイに行きます。海外旅行での支払いはクレジットカードのほうがいいと聞きますが、特に海外で安心、というカードはありますか? また、現金はいくらくらいもっていくべきなのでしょうか」

独身アラサーOLの渡航先で人気のハワイ。楽しく賢く満喫したいですよね。森井じゅんさんに聞いてみましょう。

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海外で盗まれたり落としたりした現金は戻ってこない確率大

外務省のデータに、日本人の渡航先でのトラブルについてまとめたものがあります。観光旅行、海外留学、海外赴任中にどんな事故や災害、傷害や窃盗などの犯罪被害などに巻き込まれたかをまとめ、公表しています。

その資料によれば、在外の大使館が援護を行なったトラブルのうち、一番多いのは窃盗被害です。こうしたトラブルのうち約3分の1にも上ります。そして、2番目に多いのは遺失、つまり落とし物です。これは全体の2割程度になります。

また、金額の少ない窃盗や落とし物は、援護を求める事なく泣き寝入りをするケースも少なくありません。それを考えると、何かを盗られてしまったり落としてしまったり、といったトラブルのリスクはさらに大きいと考えられます。

ハワイに限らず、海外でお財布等を落としてしまった場合、手元に戻る可能性は低いと思ってください。また、お財布が戻ったとしても、現金は抜き取られているということがほとんどです。

そして、大量の現金を持ち歩いているように見えれば、盗難などのターゲットにもなりやすくなります。そのため、クレジットカードが推奨されているのです。支払いがスマートということもありますが、盗難や窃盗のトラブル回避のためにも、クレジットカードのほうが安心、という考え方です。

海外旅行での賢いクレジットカードの使い方

万が一、盗難や紛失のトラブルがあった場合、クレジットカードであれば被害を最小限に食い止めることができます。カード会社に連絡し、利用停止手続きを行なえば、以降、不正利用されることはありません。また、盗難届を出すことなどで、補償を受けられる場合もあります。盗難などに遭った場合にカード利用を止めるため、カード会社の電話番号などは必ず控えておくようにしてください。

連絡先はカード契約時の書類からも確認できますし、各カード会社のホームページにも掲載されています。

さらに、クレジットカードを持っていると、現地にあるATMで現地通貨を引き出すことができます。

加えてクレジットカードには、ANA VISAカードや三井住友VISAクラシックカードなど、海外旅行傷害保険が付帯していたり、楽天ゴールドカードやJCB GOLD EXTAGE(29歳以下限定)など、空港ラウンジが無料で利用できたりするものもあります。

質問者さんの「いくら持っていけばいいか」ですが、それは、その人それぞれの旅行内容による、ということになってしまいます。現地の屋台でのショッピングや、タクシーの乗車、参加するオプショナルツアーの支払いなどの中には、クレジットカードが使えないものもあるでしょう。そのために、一定の現金は持ち歩く必要がありますね。

ガイドブックなどで、事前に、現金しか使えない場所をチェックして、そこでいくらくらい使う予定かを立ててみてください。
たとえば、ハワイ・オアフ島の場合、空港からワイキキ周辺のホテルまで行くタクシーやシャトルバスは、現金(ドル)のみです。一方、配車アプリUberを利用するなら、タクシーの支払いはクレジット決済です。

ただ、上で書いたように、たとえ手元の現地通貨が底をついてしまっても、クレジットカードで海外キャッシングサービスを利用することで、ATMから現地通貨を引き出すことができます。

為替相場や適用レートにもよりますが、両替手数料よりもキャッシングの手数料の方が安いケースも少なくありません。海外キャッシングを行なっても現金を両替するよりお得になることが多いのです。なので、持参する現金は「現地の予定に合わせた最小限」でよいでしょう。

クレジットカードは複数枚用意しよう

「どのカードが安心か」との質問ですが、日本で発行されているクレジットカードには、ほとんど国際ブランド(VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなど)がついています。もし、既にクレジットカードを持っていれば、たいていの場合、そのまま海外でも使えます。

しかし、すべてを1枚のカードに頼ろうとしないほうが賢明です。

海外旅行中、何らかの原因で突然カードが使えなくなることがあるからです。
また、クレジットカードで支払いをしたいと思った場所が、特定の国際ブランドに対応していない可能性も。
そのため、クレジットカードは、国際ブランドの異なるものを複数持っていくことをおすすめします。

この連載でも、多くのカードを紹介していますが、現在クレジットカードの種類は数えきれないほどあります。海外旅行をきっかけにクレジットカードをつくることになる人もいるかもしれません。そのときには自分のライフスタイルを見直し、一番使えそうなクレジットカードを選んでください。

特に年会費には要注意です。さきほど紹介した、海外旅行傷害保険がついていたり、空港ラウンジが無料で利用できるクレジットカードも、数千円の年会費がかかります。

旅行のために年会費のあるクレジットカード作り、その後使う事がなく年会費を払うだけ……なんてことにならないように、くれぐれも注意してください。

せっかくの友だちとの旅行中、誰かがトラブルにみまわれると、旅行が台無しになっちゃいます。



■賢人のまとめ
「持ち歩く現金は最小限にし、使えるところではクレジットカードで。足りなくなった現金はATMのキャッシング」がおすすめです。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。