動物病院での犬の検査時のストレスを和らげる方法のリサーチ結果

愛犬を動物病院に連れて行くと、明らかにストレスを感じているのがわかるという飼い主さんは多いのではないでしょうか。病気を治すために行く場所なのに、そのこと自体が犬に嫌な思いをさせているというのは飼い主としても切ないですね。

そんな愛犬のストレスを和らげる意外なほど簡単なことが、フランスの大学の研究によって明らかになりました。

研究の概要

この研究を行ったのはフランスのアルフォール獣医科大学の研究チームです。33匹の健康な家庭犬を対象にして、それぞれ動物病院で2回ずつの検査を受けさせ、その時の生理的な変化と行動の変化を観察しました。

2回の検査のうち1回は飼い主が同席して、検査をしている間、犬に声をかけたり撫でたりして接触した場合のもの。もう1回は飼い主が同じ部屋に同席しているが声をかけたり身体を撫でたりする接触が許されないものでした。

観察される生理的な変化としては心拍数、唾液に含まれるコルチゾールの数値(ストレスを感じると数値が高くなる)眼球表面の温度、直腸体温が計測されました。

行動の変化として観察されたのは、ハアハアと呼吸するパンティング、鳴き声をあげる、診察台から飛び降りようとする、医師から離れようともがく、唇を舐める、あくびをする、前足を上げる(最後の3つはいずれも不安を感じている時に示すカーミングシグナル)でした。

研究観察の結果

飼い主が犬に声をかけたり撫でたりという接触があった場合、診察台から飛び降りようとする行動と鳴き声をあげる行動が、犬への接触が許されない場合に比べて少ないことが確認されました。他の行動の変化については大きな違いは見られませんでした。違いが見られた2種類の行動は飼い主から離れていることから来る分離不安を示すものなので、接触することで緩和されるのはもっともなことだそうです。

生理的な変化では、飼い主が犬に接触した場合には心拍数の上昇と眼球表面の温度の上昇が、接触がない場合に比べて緩やかでした。つまり飼い主が犬に声をかけたり撫でたりすると心臓のドキドキや顔がカーッと熱くなるのが和らいだということですね。直腸体温については大きな違いは見られませんでした。

このように、病院での検査の最中に飼い主が犬に声をかけたり撫でたりすることで犬のストレスは和らぐという結論が出されました。研究はさらに続けられ、飼い主との接触で検査中の犬のストレスが低下するメカニズムをさらに掘り下げるため、同様の観察データを集めていくとのことです。

まとめ

フランスの獣医科大学による研究で、動物病院で検査を受ける際に飼い主が犬に声をかけたり優しく撫でたりすることで検査中の犬のストレスが和らぐという結果が発表されました。飼い主としては嬉しい研究結果ですね。

筆者の犬のかかりつけの動物病院では、処置をする際には飼い主が同席しない別室で行われる場合もあるのですが、うちの犬たちは私が側にいた方が落ち着いているので処置もし易いと思いますと、できる限り同席させてもらっています。どうやらその行動も正しかったようでホッとしました。

獣医さんによっては検査中に飼い主さんが触ることを良く思われない場合もあるでしょうし、検査の種類によっては接触することで支障が出る場合もあるので、勝手なことをしないよう注意が必要ですが、飼い主との接触が病院でのストレスを和らげるということは知っておきたいですね。犬によっては待合室で既にストレスを感じる子もいますし、診察室でも支障のない範囲で接触して、少しでも気持ち良く診察や検査を受けて欲しいものですね。

《参考》
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0031938417301403