2018年1月から、音楽教室での演奏に対し著作権料を徴収することを決めたJASRAC。これに対して、ヤマハ、河合楽器などの音楽教室運営側は「音楽文化発展の妨げになる」などと反発し、反対署名は3カ月で55万人以上集まった。

 インターネット上での批判の高まりや、「カスラック」とも称される現状をJASRAC側はどう受け止めているのか? AbemaTV(アベマTV)の『けやきヒル’sNEWS』では、JASRAC常務理事の大橋健三氏に単独インタビューを実施した。

■大橋氏「徴収したお金の分配は明らかにしている」

 インタビューに応じた大橋氏は、「カスラック」と呼ばれていることに対して「率直に言えば…非常に悔しい」と話す。一方で、「いくら徴収した、お金をいくら分配した、ということは明らかにしている。JASRACを十分に理解していないからこそ、“カスラック”というのが出てくるのだと思う」と、情報公開への理解が得られていないことを訴えた。

 音楽教室への著作権料徴収に関しては、教室側が「好きな曲を自由に練習できる環境こそが『音楽文化の発展』」などとするのに対し、JASRACは「著作権料を徴収して作り手に分配する作業も文化の発展に欠かせない」と主張している。

 主張の食い違いについて大橋氏は、「音楽教育の世界に、著作権者が使用料をいただこうなんて何事だというが、何かお間違いになっていませんか?と(言いたい)。音楽教育というのは、歌がうまくなる、楽器をうまく弾けるということだけではない。(教室に著作権料を徴収することで)もしかしたら受講料に若干上乗せされるかもしれないが、その対価が創作者に還元されることによって、創作者は”ありがとう”という思いと同時に、新しい作品を創作して世の中に提供して、それが広く音楽文化の発展(につながる)」との考えを示した。

■大橋氏、法的措置は「懲らしめてやろうということではない」

 JASRACが批判を集めている理由には、音楽教室をめぐる対応のほかに、積極的な「法的措置」をとっていることにもある。特に2015年以降は、違法に曲を利用し続ける店舗や事業者に対して、全国一斉で民事調停を申し立てるなどの措置をとり、2017年7月には、使用差し止めや損害賠償を求めた初めての「提訴」にも踏み切った。

 法的措置を積極的にプレスリリースすることに関しては、JASRACが“強面”の部分を出していることも揶揄されている。大橋氏は「民事裁判ですから、人を懲らしめてやろうということでは全然ない。管理の公平性、適法利用の推進のために、一番公明正大な方法だから使っている」と説明した。

 音楽教室側は6月、この方針の取り消しを求めてジャスラックを提訴。監督官庁である文化庁にも、裁判が終わるまで徴収開始の手続きをしないよう求めた。

 音楽教育を守る会・理事の日下昌和氏は、「テキストを作成したり、公衆を対象とした演奏会、コンサート、コンクール、こういったときには、規定料金をJASRACさんの方に支払っている。(JASRACの方針が)音楽文化の発展に寄与するものだろうかと考えた場合、逆に停滞、もしくは音楽人口の減少につながりかねないものだと危惧している」と話した。

 文化庁は、裁判の結果をもとに徴収開始を認めるかどうか判断するとみられ、その裁判は、今年9月にも始まる見通しだ。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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