釧網本線北浜駅。映画「網走番外地」の第一作のロケ地でもあるが……

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この店は旧国鉄時代に無人駅になった駅舎を利用したレストランのひとつ。多くの映画のロケ地としても知られ、夏場は観光客が訪れるスポットです。でもこの駅内にあるレストランメニューがあなどれないんです。

停車場の店内。窓際の席は昔の客車の席が。

店の名前は「停車場」。場所は網走市の東の郊外、釧網本線北浜駅にあります。旧式のポストとともにノスタルジックなムードがいっぱいですね。1965(昭和40)年の映画「網走番外地」の第一作で、「網走駅」として囚人を駅から護送するシーンのロケ地として用いられたことは有名です。

店内も旧国鉄のムードでいっぱい。窓際の席は昔の客車の席をそのまま利用。その上には客車洋の古い網棚も設置され、そこには昔ながらの旅行用トランクが置かれているという芸の細かさ。そのほか天井の扇風機や信号灯、通信用リングなどの小物もすべて本物を展示しています。

「オホーツクラーメン」1200円は、地元産のカニ、サケ、エビ、ホタテ、イクラが乗ったまさにオホーツクの味覚の集合体。鯛のアラと鶏ガラから取った上品な味わい塩スープに海産物の旨味が溶け出し、コシの強い中太の縮れ麺との相性も見事です。

「ホタテカレー」950円は、タマネギを丁寧に炒めたルーに、バターソテーしたホタテの大きな貝柱がボリュームたっぷりに盛り付けられています。ホタテのプリプリの食感と旨味は、ルーのさわやかな辛さと一つになって実に多彩な味わいを楽しめます。

「オホーツクの地の物を味わって欲しい、という気持ちでメニューを考えています。四季それぞれにおいしい物があり、景色もそれぞれに魅力的です。一度だけでなくすべての季節を楽しんで欲しいですね」とはオーナーシェフの藤江良一さん。

海岸から20mの近さにあり、かつて「オホーツク海に一番近い駅」として知られた駅舎のすぐ隣には、海を見渡せる展望台もあります。オホーツクの潮の香りを感じながら味わう地元素材の料理。これは確かに一度ではもったいないような気もしますね。

停車場 ■住所:網走市北浜無番地 ■電話:0152・46・2410 ■時間:11:00〜20:00(LO19:30) ■休み:火曜(祝の場合営業) ■席数:20席(喫煙可)

【北海道ウォーカー編集部】