950万人のフォロワーを持つ20歳のモデル、アレクシス・レンさんの<Instagram>を見たら、彼女はさぞかし人生を楽しんでいるのだろうと思う人も多いはず。

ところが、彼女は最近、自分がこれまでファンに対して隠してきたことを伝えたいという思いにかられているのだそう。「自分のプロフィールを見て、『この子見て!この子って、なんか、完璧な人生じゃない?』って感じられてると思うんだけど、これまでずっと感謝の気持ちを持ってこなかったことがすごく後ろめたくなってきたの」。

私はまったくあなたが考えるような人間じゃない

この4月からのツイートでは、自身の健康問題についてほのめかすようになり、幸せそうな写真を投稿して真実を隠していたと告白。精神的にまいっていたこと、食べることに罪悪感を感じて、自分を罰するように過剰な運動をしていたことなどを明らかに。さらに最近では、母親の死を受け入れる葛藤や、摂食障害との闘いについて、初めて書いたのだとか。

「ただなんていうか、『みんなに正直になるんだ』って感じで」とアレクシス。「今は何も隠すことはないの」。

モデルとして生計を立てている彼女だけど、研究が示すように、若い女の子たちがSNSで見る女性と自分を比較する否定的な影響にも懸念を抱いているよう。「刺激を受けるために見るのはいいけど、自分と比較することは不安と自己否定の念を作り出すものだわ」とのこと。

体重を気にする

アレクシスが母を乳ガンで亡くしたのは、まだ17歳だった2014年の1月のこと。

今日家に帰ってお母さんを抱きしめて、私たち3人姉妹が望みうる最高のお母さんでいてくれたことを感謝できないのは悲しい。お母さんなしで生きていくのは辛いけど、お母さんは私たちをこんなに強い子に育ててくれたから、毎日お母さんの誇りなるようにと思っているわ。母の日おめでとう。お母さん、大好き

2人の姉と弟のいるアレクシスはホームスクール(自宅学習)で育ったため、とても母との距離が近かったそう。一方、弁護士の父はいつも忙しく、母ほど近しい存在ではなかったのだとか。母が亡くなると、「私たちはお互いを見合って、『クソッ、これからは仲良くしなきゃいけないんだろうな』って感じだった」とアレクシス。

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18歳になり、モデルの仕事でオーストラリアに数カ月行くことになったのは、母親の喪に服するにはよかったと語るアレクシス。「親の死をどう受け取るかは色々。『わあ、どうしよ。この苦しさをどうにかしたい』ってパーティーに明け暮れることもできたけど、私は『いいわ、私は今から自分とお母さんのために生きる。充実した人生を送らなきゃ』って思ったの」。

ところが、海外にいる間に体重が少し増え、所属するロサンゼルスのモデルエージェンシーからそのことを指摘されたアレクシス。「もしできれば少し運動量を増やしてくれって言われて…。パニックになっちゃったの」。

お母さんは私にダイエットなんてしてほしくなかったはず。だからお母さんをガッカリさせるだろうということはわかってた。

体重について批判されたことがなかったアレクシスにとって、大変な痛手だったこの指摘により、さらにワークアウトするようになり、生まれて初めてのダイエットにも挑戦するようになったのだとか。

「お母さんは私にダイエットなんてしてほしくなかったはず。だからお母さんをガッカリさせるだろうということはわかってたから、気分が悪かった」

自分を取り戻す

アレクシスがモデルで音楽プロデューサーのジェイ・アルバレズと出会ったのは、彼女が摂食障害をこじらせていた頃(<Tumblr>でお互いの存在を知り、<Instagram>を通してジェイが彼女を誘った)。2人は急速に接近したけれど、「私はお母さんを別の人に置き換えようとしていたんだけど、そんなことは当然うまくいくはずがなかった。特にお互いに若くて、違う意図を持っている人を信じようとしているときは」。

2年間の交際の間にギリシャ、スペイン、ハワイなどを周りながら、2人でできるモデルの仕事を組んだのはジェイ。<Youtube>で22万人以上の視聴者を得た「highlight reel of their summer」などのライフスタイルビデオを撮り始めると、アレクシスは常にカメラの前に立ち、外見を気にするように。「私にとって一番厳しい批評家は自分自身だったわ。自分の食生活とワークアウトを監視していることだけが安心感をもたらしてくれたの」とアレクシス。

the best meal I've ever had

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人生最高の食事

アレクシスはまた、運動量を増やして食べたもののエネルギーをすべて消化しようとしたそう。「周囲のみんなが、『アレクシス、何してるの?』って感じだった。でも、自分が他人に好かれる理由は体しかないんじゃないかと思ってたの」。

先が読めない旅行生活では食べたいものも手に入らず、ますます禁欲的になっていき食生活のコントロールがさらに難しくなったそう。「悪循環だった。食べると罪悪感がわくから食べたくなくて、ますます食べなくなっていったの」とアレクシス。「食べ物が恐くなってた」。

自分が他人に好かれる理由は体しかないんじゃないかと思ってたの。

体調も悪化。ロサンゼルスに戻ると、数日間は疲労感と発熱に苦しんだのだとか。「旅行や過労、食べるべき量を食べていないことで免疫力が低下してたから、病気にかかりやすかったの」。

1年に最高で11カ月旅行していたというアレクシスとジェイだけど、摂食障害に関して、アレクシスはジェイを責めるつもりはないのだとか。「あの年齢では、彼も私の状況をどうにかすることはできなかったのよ」。「私はお母さんが欲しかったの。ボーイフレンドじゃなくて」(この点についてジェイはノーコメント)。

そして、2016年の夏、2人は別れることに。

支援を得る

彼と別れ、1人になって初めて友達や家族の心配に耳を傾けるようになったアレクシス。自分を崇拝している多くのファンたちに、見習うべき健康的な習慣を示そうとも思ったそう。

その後8カ月間は旅行も止め、ロサンゼルスの自宅から投稿を続けたアレクシス。母親の友人でライフ・コーチを務めるジョニ・ラーナーさんの紹介を受けて、公認パーソナルトレーナーで栄養アドバイザーのマギー・タニエリアンさんと出会ったのだとか。

タニエリアンさんはアレクシスを食料品店の買い物に連れて行き、食べ物の保存の仕方を教え、食べることの罪悪感について指導したのだとか。「彼女は私が健康な精神状態に戻れるように助けてくれた。心配しなくなると、何もかもがうまく行き出したの」。

She told me to smile

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彼女が笑うことを教えてくれた

今では1日おきにヨガやピラティスのレッスンを受けたり、トレーナーと一緒にエクササイズをしたりしているというアレクシス。「強迫的ではなくて、ただ、今はそれをやっているだけ」。食生活でも、炭水化物や脂肪分の少ないタンパク質、野菜をバランスよく摂り、体重も増加。「最初は恐かったけど、周りにいい人たちがいるから」、体重が増えることも受け入れられるようになったそう。

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最近も人生で一番健康的だとツイートしたけれど、まだ時折食べることに罪悪感を覚えるというアレクシス。「摂食障害がいつもその辺にあるような感じ。それはお母さんの死への感情と似てるの。『私は大丈夫』と思っていたのに、突然不安が襲ってくるから」。

彼女がすることすべて―少なくとも投稿することすべて―に、人々がコメントをすることには慣れているけど、たとえ痩せたとか痩せすぎていると言われたときでも、他人のことは気にしないようにしているのだとか。そして、その代わりに自分の人生の核にいる人々に関心を向けることにしたそう。

もっとも、かつてはもっとも近しい存在の1人だったジェイとは、連絡もとっていないし、彼について話す気もないとのこと。「過去は過去よ。私は彼を自分より優先してた。それが愛情だと思ってたけど、違ったわ。自分よりも誰かを優先するのは健全なことじゃない」。

もう動揺させられたりしない、誰にも。

アレクシスは今誰ともつきあわず、仕事に忙しくしているそう。毎日演技のレッスンを受けて、近々公演となる心理サスペンス『Tarot』にも出演するのだとか。また、写真とファッションデザインも取り組んでいて、これから彼女のフィットネスウェアブランド<Ren>がオンラインで発売になるそう。

最後に、ファンの人々への彼女のメッセージ

「大丈夫じゃないときがあっても大丈夫。すべてはあなたの感じ方。だって、体はあなたが感じたことに反応してるんだから。あなたが幸せじゃないなら、あなたの体も幸せじゃないし、幸せそうには見えないものよ」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: mayuko akimoto

COSMOPOLITAN US