一体何年分つけていたのか(画像は英「The Sun」紙電子版より)

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2017年7月15〜18日にかけて国内外のメディアで話題になったニュースがある。英国で白内障の手術を予定していた67歳の女性の右目から、計27枚ものコンタクトレンズが出てきたという珍事だ。

27枚ものコンタクトレンズが目に残ったままなどということがありえるのか。発見した医師は衝撃を受け、2017年7月5日に英国医師会誌(BMJ)電子版で驚きの臨床報告として発表している。

1枚でもずれれば相当な違和感

BMJに報告を送ったのは英バーミンガム近郊のソリフル病院の眼科医、ルパール・モルジャリア医師だ。2016年11月に行われた67歳女性の白内障手術の際、目に麻酔を注入していた執刀医のひとりが女性の目に違和感を覚えた。まぶたの裏を調べてみると、なんと17枚ものコンタクトレンズが塊となって貼りついていたのだ。

さらに詳しく調査をすると、さらに10枚ものコンタクトレンズが出てきたという。大量のコンタクトレンズが最近に汚染されている可能性があり、手術によって細菌感染や眼内炎を起こすリスクがあったため手術は中止されている。

これほどのレンズが目の中に残っていれば相当な異物感があったと思われるが、女性は手術前に執刀医に対し老眼のような症状と酷いドライアイに悩まされていると訴えていただけだった。しかし、本当にそんなことがあり得るのだろうか。

J-CASTヘルスケアは都内数か所の眼科に「これまでコンタクトレンズを複数枚、外し忘れていたというような事例があったか」と取材をしたが、27枚はおろか3〜4枚という事例も確認されなかった。

唯一の事例で、矯正用のコンタクトレンズの上にカラーコンタクトレンズを重ねづけしたところカラーコンタクトレンズがずれてしまい、まぶたの裏に入りかけてしまったという患者を診察した医師がいた。しかし、診察時に患者は相当な違和感を訴えていたと話す。

「つけっぱなしにするだけでも相当な違和感があるはずで、まして27枚もコンタクトレンズが入り込んでいたとは論文を見ても信じられません。人によっては真っ赤に充血したり感染症を起こして腫れてしまい、外見的にも異常が出ると思うのですが」

なぜ英国の女性は何の異常も起きず、違和感も覚えなかったのかは明らかになっていないが、すべてのコンタクトレンズを除去してから2週間後の検査では、右目の状態が以前よりもずっと良い状態になっていると答えたという。

日本でも事前の診察を徹底する方向

報告の中でモルジャリア医師は、女性が35年間使い捨てコンタクトレンズを使用し続けてきたが、その間に一度も眼科で検診を受けていなかったことを問題視。

仮に女性があまり違和感を覚えない体質で複数枚のコンタクトレンズをつけたままにしていたとしても、眼科でコンタクトレンズの検査を受けていれば、初期の段階で問題が発見されていたかもしれない。「オンライン上で医師の診察を受けないままコンタクトレンズを発注できるのは危険である」とし、コンタクトレンズ使用の有無に限らず定期的に眼科で検診を受けるよう呼びかけた。

日本で同様の問題は起きていないものの、医師の診察を受けずにコンタクトレンズを使用し眼障害が発生する例が相次いでいるとして、厚生労働省が2017年6月に販売業者などに対する指導事項を強化する方針を明らかにしている。