「Thinkstock」より

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 どんなにやる気がある人だって、四六時中やる気が出まくっているわけではありません。「ああ、今日はやる気が出ないなあ〜」という日も、当然ながらあるわけです。そして、そんな日に限って、大事な商談や打ち合わせがあったりします。

 では、簡単にやる気が出てくるような心理テクニックはないものでしょうか。
 
 実は、あるんです。
 
 それは1分間、“バンザイ”の姿勢をとること。足を開いて立ち、両手を大きく広げながら上にあげましょう。そして、その姿勢を1分間維持。これで終了です。

「えっ? そんなことでやる気が出るんですか?」と思われるかもしれませんが、本当にこれだけでやる気がバンバン出てきちゃうんですよ。

 米カリフォルニア大学のダナ・カーニーが、2010年に「サイコロジカル・サイエンス」誌に発表した論文によると、バンザイの姿勢のようなポーズを、「パワーポーズ」と呼ぶそうです。人の心に「パワー」を喚起してくれる姿勢というのがあるのですね。

 バンザイの姿勢をとらせてから自己評価を求めると、みんな自信を感じるようになったとカーニーは指摘しています。しかも、唾液を採取してテストステロンの値を調べてみると、パワーポーズをとった人は、テストステロン値が上昇していました。

 テストステロンというのは、男性ホルモンのひとつで、身体を活性化させ、人にやる気を出させるホルモンとして知られています。そのホルモンが、パワーポーズをとることで分泌されてくるのです。

「なんだか、朝から身体がだるい」
「今日は、何もしたくない」
「何をするにも面倒くさいと感じてしまう」

 そんなときには、1分間のバンザイをしてみてください。「やる気を出さなきゃ!」「こんなんじゃ、いかん!」と自分に何度も言い聞かせるより、はるかに効きますよ。

 ちなみに、顔をうつむかせるとか、背中を丸めるとか、足を引きずって歩くとか、腕を組むとか、そういう姿勢はパワーポーズとは逆に、「やる気を奪う」ポーズになってしまうことも心理学では明らかにされています。

 歩くときには、アゴを上げぎみにし、足を高らかにあげて、颯爽と歩くようにしてみてください。それを意識するだけで、気分が高揚してきて、何事に対しても積極的な態度でのぞむことができるはず。

 人間なら、やる気が出ない日だってあるのは仕方がありません。しかし、そんなときだって、ちょっとした心理学のテクニックを使えば、どうにか切り抜けることはできるものなのです。
(文=内藤誼人/心理学者、立正大学心理学部客員教授、アンギルド代表)