KinKi Kids堂本剛、『銀魂』原作ファン唸らせる高杉晋助役

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 「宇宙一バカな侍だ、コノヤロー!!」。公開前からトレーラーが頻繁に流れていた、映画『銀魂』。7月14日に公開されるや否や話題沸騰、興行収入もうなぎ登りだ。その数字は凄まじい。初日は1億7602万5800円、15〜16日の週末2日は5億4103万2900円と、2017年の実写邦画のオープニング2日間の興行収入記録を更新している。

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 実写映画というと、根強い原作ファンがいることから酷評されることも珍しくない。しかし、『銀魂』はビジュアルの再現にかなりチカラを入れており、原作ファンも唸るほどの出来栄えだ。特に、近藤勲、土方十四郎、沖田総悟の真選組の面々は、原作から飛び出してきたのかと思うほど。キャスティング大成功ではないだろうか。かく言う筆者も、『週刊少年ジャンプ』歴20年以上で原作『銀魂』の大ファン。中でも高杉晋助が好きだったため、KinKi Kids堂本剛が演じると聞いたときは驚きを隠せなかった。漫画での高杉のイメージと剛のイメージがあまりにもかけ離れていたからである。しかし、賛否両論あるものの実際に鑑賞してみると想像以上にピッタリだったのではないだろうか。むしろシルエットや佇まいは、紛うことなき高杉晋助であった。

 一見するとイメージが違う剛が高杉晋助にフィットした大きな要因は、剛の演技力があってこそ。今回、剛はかなりキャラクターに寄せた演技をしていた。たとえばセリフの言い回し。高杉はのらりくらり、飄々としつつも、腹に抱えた怒りや破壊衝動が時折見え隠れするような話し方をする。剛は、それを“ゆっくり話し、時に相手を嘲笑うかのような声色を出す”という方法で表現。声も地声よりも幾分低かったように思える。

 さらに、目の演技も良い。高杉は隻眼であるがその目線はかなり鋭く、狂気を秘めている。橋本環奈演じる神楽は戦闘民族という設定でかなり戦闘力が高いのだが、初めて高杉に遭遇し、目を見た瞬間に怯むほどである。一方、剛はどちらかと言うと可愛い印象の目元だ。だからだろうか。劇中は意図的に目を細めたり、見開いたり、睨みつけたり……、目での演技をかなり多く行なっていたように感じる。また、目線を落としてから相手を見る“タメ”のタイミングもバッチリだ。目元がフォーカスされるシーンが多いのも納得である。

 こう考えると、剛の演技力があってこその高杉晋助というように思えてくる。「役と役者のイメージが近いから違和感なく見られる」という評価が多くなっている昨今、役と役者のイメージが異なるのも珍しい。そして、そのイメージや見た目のギャップを埋められる剛は流石である。『若葉のころ』(TBS系)、『青の時代』(TBS系)、『Summer Snow』(TBS系)の“青春三部作”で、その演技力を高く評価されていた剛。それ以来徐々に演技の仕事から遠ざかっていた剛にとって、『銀魂』は久々の演技となった。しかし、彼の演技力は錆びついていない。むしろ、さらに繊細な演技力が高まっている。そして『銀魂』をきっかけに、再び剛が演技の仕事をスタートさせてくれることに期待したい。(高橋梓)