スーパーラグビーに参戦している日本のサンウルブズが、17年シーズンの全日程を終えた。

 南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドのクラブチームを中心としたスーパーラグビーは、サッカーに当てはめればUEFAチャンピオンズリーグのようなものだ。同じ南半球の国際大会というくくりでは、コパ・リベルタドーレスに似ているとも言えるかもしれない。

 シーズンを通してトレーニングを積んでいくクラブチームは、そのぶんだけ練度が高い。しかも、代表クラスの選手が揃っているとなれば、チームとしての完成度も高まる。レアル・マドリーやボカ・ジュニオルスに似たクラブが、スーパーラグビーを構成している。

 一方のサンウルブズは、スーパーラグビーのために編成された混成チームだ。いわゆる選抜チームである。積み重ねてきたトレーニング量の差は明らかで、サンウルブズは2勝13敗でシーズンを終えた。

 それでも、参戦1年目の昨年は1勝しかできなかったのだから、進歩を読み取ることはできる。7月15日のシーズン最終戦では、ニュージーランドのブルーズを48対21で撃破した。

 強い日差しが照りつける12時05分キックオフのホームゲームは、サンウルブズにとってホームタウンアドバンテージとなった。それにしても、ラグビー大国ニュージーランドのクラブを下したのだから、価値のある勝利と言っていい。昨シーズンの33トライはワースト2位タイだったが、今シーズンは18チーム中13位タイの41トライまで伸ばした。チームの成長は、数字にも表れている。

 ラグビーは国際試合の開催期間が短い。17年の日本代表は6月にルーマニア、アイルランドと合計3試合を消化し、11月にオーストラリア、フランスと対戦することになっている。このほかに、東アジア地域の大会が5月に開催されたが、こちらはフル代表の予備軍が出場した。

 1年に数試合しかないだけに、しっかりとした成果が求められる。強豪国も格下に胸を貸す余裕はない。日本が世界のトップ10とのマッチメイクにこぎつけているのは、19年のW杯を開催することが大きいだろう。6月に来日したスコットランドのジョー・シュミットHC(ヘッドコーチ)も、「W杯の開催国でゲームをできたことは、とても有意義だった」と話している。

 代表チーム同士で強豪と対戦するのが難しいならば、クラブで経験を積むしかない。サンウルブズのスーパーラグビー参戦には、世界のトップ・オブ・トップと対戦する機会を創出する狙いがある。今シーズンは日本代表と言ってもいいメンバーを編成し、W杯への強化という位置づけをより鮮明にした。

 話をサッカーに移そう。

 2020年の東京五輪でメダルを獲得するには、個々のレベルアップが欠かせない。これまでより早い段階から、該当する世代への強化をスタートするべきだ。

 東京五輪でグループリーグを突破すれば、サッカー界の尺度では及第点を与えられる。ベスト4まで勝ち上がれば、評価はさらに上がる。

 ただ、東京五輪はどの競技団体にとっても黄金の好機だ。メダルラッシュも予想される。グループリーグ突破やベスト4では、世間一般では注目も評価もされない可能性がある。五輪後のテレビ番組に呼ばれるのは、結局のところメダリストだからだ。

 東京五輪世代のU−20日本代表は、19日からAFCU−23選手権に出場している。彼ら自身のレベルアップによって所属クラブでポジションをつかむことを期待しつつ、並行して世代全体の強化を進めていきたい。東京五輪までの道のりでは、これまではできなかったこと、やろうとしなかったことにも、積極的に取り組んでほしいのだ。