夢の続きか、新しい人生か? ピクサー史上最大の衝撃的な展開が待ち受ける映画『カーズ/クロスロード』が現在大ヒット上映中。最強レーサー・マックィーンがあんなことに……、って筆者は個人的にピクサー作品で『カーズ』が一番好きなので、かなり泣かされました。

本作でメガホンをとったのはブライアン・フィー監督。『カーズ』『カーズ2』にはストーリボード作成として作品に携わってきた彼ですが、何と本作が初監督作品! ジョン・ラセターの秘蔵っ子とも言われるブライアン監督。ジョン・ラセターが作り上げた『カーズ』の世界観を継承しつつ、見事に新しい作品を作り上げています。インタビューでは、映画について、ブライアン監督自身のメンター(師匠)について色々とお話を伺ってきました。

―映画大変楽しく拝見しました、素晴らしかったです! “衝撃のラスト”のキャッチコピーどおり本当にラストの展開には驚かされました。こうしたシナリオに対して反対の声はありませんでしたか?

ブライアン監督:ストーリーについては何度も何度も練り直しているし、皆が愛しているマックィーンがどの様な姿を見せるのかというのはとても慎重に議論した。僕だって彼のことが大好きだから。でも、マックィーンの成長とこれまでの軌跡をどの様に見せるべきか考えた時に今のストーリーとなったんだ。完成した映画とも違うラスト、おそらく皆さんが想像するもう一つの方向のラストというのも考えたのだけど、それではピクサー映画としての驚きや新しさ、伝えたいメッセージがぶれると思ったんだ。

映画をご覧になっていただければ皆さんに感じていただけると思うのだけど、本作でのマックィーンは人間でいうところのアスリートの立場なんだ。1作目で最速のレーシングカーだったマックィーンにとっての壁はどういうものになるのかということを考えた時に、やっぱり年齢、年を取るということだと思ったんです。時間は戻せませんし、若さは戻りません。魔法のような解決策は存在しないので、アスリートは誰しもこの壁につきあたります。それは他の職業の方にもあてはまることですが、より顕著なのがアスリートだと思ったのでそういう見せ方をしています。

―『カーズ/クロスロード』は監督の初監督作品ですが、すごくプレッシャーを感じたのではないでしょうか?

ブライアン監督:もちろん(笑)。僕は最初、本作に企画開発の段階でストーリー部分に携わっていたんです。自分としては監督なんて想像もしていませんでしたし、なりたいと願っていたわけでもありませんでした。ところがあるとき、ジョン・ラセターに呼ばれ、「『カーズ3』の監督をしてほしい」と言われたんです。非常に驚いて、光栄で嬉しく思いました。同時に自分に務まるのだろうか? という気持ちもね。

―本作はメンター(=師匠)というのも大きなテーマとなっていますが、監督にとってのメンターはジョン・ラセターさんですか?

ブライアン監督:そうだよ! 僕にとっても他のピクサーのスタッフにとってもね。ジョンは、僕が人生で出会った人のなかでもっとも自信のある人だと思う。それでいて謙虚で、おごらないんだ。本作も彼に出来るだけアドバイスをしてほしくて、繰り返しストーリーや完成前のフィルムを確認してもらったよ。私自身、これまで多くのことをジョン・ラセターから学びました。これからも学び続けると思います。そして、ピクサーには若い才能にあふれたスタッフがたくさん入ってきたので、僕が学んだことを出来るだけ伝えていきたいんです。

色々な物事には消費期限がありますが、“遺産”として残るものというのは「次の世代に何か残す・伝える」ということ。それが私たちの人生のサイクルだと思っています。私たち自身も、前の世代の誰かが私たちのために何かしてくれたから今の自分たちがある。そんなメッセージをこの映画を通して伝えたいです。自分の幸せというのは、自分の仕事がうまくいくこと。その方向でしか考えていなかったんですが、自分が大人になって、家庭も築いて、優先順位が変っていきました。そんな経験をマックィーンにもして欲しかったのです。

―今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

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【動画】奥田民生が映画『カーズ』のエンディングをサプライズ生披露!
https://www.youtube.com/watch?v=BE825akiyLI