韓国、文在寅大統領の「独断専行」が目立っている。原発建設の中断と最低賃金の大幅引き上げ決定で、韓国経済界は大混乱に陥っている。写真は韓国の紙幣。

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韓国、文在寅大統領の「独断専行」が目立っている。原発建設の中断と最低賃金の大幅引き上げ決定で、韓国経済界は大混乱に陥っている。

原子力発電所建設は7月中旬に、「中断して市民にその可否を審査させる」と発表した。原子力発電問題は、極めて高度の専門知識を必要とする。それに加えて、エネルギー政策や電力料金にも関わってくるなど、一般市民が判断できるテーマではない。こういう「草の根民主主義」スタイルで、国家の重要問題を丸投げする政治が、果たして韓国の将来に吉と出るか凶と出るかは分からない状況になっている。

最低賃金引き上げ問題も、余りにも早急な決め方をした。18年から一挙に時給を750円へ引き上げる。最終的には1000円にして、「人間らしい生活を実現する」(文大統領)と理想を語っている。多くの構造的問題を抱える韓国が、思いつきで政策を決めるやり方は、将来の禍根(かこん)を残すだけであろう。

韓国の中央銀行である韓国銀行は、韓国の潜在成長率が10年以内に「ゼロ成長」になると警告しているほどだ。労働力不足が原因である。少子高齢化対策も効果を上げず、若者の失業が深刻化している。これでは出生率が高まるはずもなく、世界の最低レベルに沈んでいる。

韓国銀行は、この4月に「アベノミクスを見倣え」というレポート出している。韓国経済の活性化によって、失業率の低下をはかり、出生率の向上を目指すものだ。

■筆者プロフィール:勝又壽良
横浜市立大学商学部卒、経済学博士(中央大学)、元『週刊東洋経済』編集長、元東洋経済新報社編集局長、元東海大学教授、元東海大学教養学部長。経済記者30年、大学教員16年の経験を持つ。