【インタビュー】ムーン・サファリ「日本のファンに愛されている証かな」

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ムーン・サファリは、<ヨーロピアン・ロック・フェス 2013>での初来日を機に日本でも人気を獲得、その名が知られるようになったスウェーデン出身のシンフォニック楽団だ。いわゆる変拍子やテクニカル技巧のプログレッシブなバンドではなく、むしろビーチボーイズのようなコーラスワークとポップで爽やかなサウンドに甘酸っぱさもあるところから「青春プログレ」と称されるようになった。2003年結成後、今回で3度目の来日だが、過去2度の来日でしっかりとファンを掴んだ事で、新作リリースのないこのタイミングでも単独公演を実施している。

◆ムーン・サファリ画像

ヨーロッパでのツアー経験も豊富に積み、前回よりもまたひとまわり頼もしくなった彼らのステージは、完璧なまでのコーラスワークとアンサンブルでオーディエンスを圧倒するものだ。ステージに上る前に、ポンタス(Key)、サイモン(Key)兄弟とヨハン(B)がインタビューに応じてくれた。

──約2年半ぶりの来日公演になりますね。

ポンタス:こうしてまた戻ってこられて嬉しいよ。これだけ頻繁に戻ってこれるという事は日本のファンに愛されている証かな。

ヨハン:ニューアルバムも出ていないのにもかかわらず定期的に日本に来れるのは素晴らしい。日本のファンは僕らをずっと好きでいてくれるみたいでとても嬉しいよ。

サイモン:本当にスペシャルなことだね。日本という国自体も素晴らしいし、ファンが欧米に比べると若くて層も幅広い気がする。スタッフの人たちの扱いも素晴らしいしね、プロフェッショナルで心温まるもてなしなんだ。

──今回は単独公演の他にバロック・プロジェクトとのジョイント公演もありますが、このバンドはご存知でしたか?

ヨハン:実は彼らの事は知らなくてレーベルが決めた事だったんだけど、バロック・プロジェクトもメロディを大事にするバンドだね。今夜もっと聴けばちゃんとわかると思う。イタリアのバンドはPFMが好きだけど、やはりメロディが凄くいい。楽しみにしているよ。

──ファンは『HIMLABACKEN VOL.2』を心待ちにしていますが、制作は順調ですか?

ヨハン:50〜60分のかなり完成された形のデモはできているよ。あとはどの曲にするかとか曲順を考えればいいのだけど、ちゃんとスタジオ入りして始めればすぐに軌道に乗ると思う。

サイモン:レコーディングが始まれば順調に進むと思うよ。

ヨハン:ライブでも新曲を3曲演っているからね。ただ、レコーディングとなるとアプローチも変わってくるから、そこは課題かな。

──今回の来日公演でも新曲披露はありますか?

ヨハン:もちろん今夜も3曲全て演るよ。「Diamonds」という曲も一度フェスで演っただけで、今年ライブで披露するのは初めてなんだ。今夜をお楽しみにね。

──ドラマーのトビアス脱退の後にベスト盤がリリースされましたが、それはひとつの区切りですか?

ヨハン:一応トビアスが在籍していたひとつのショーの終わりを示しているとも言えるよね。でも日本盤のベスト盤を出すというのはバンドの意向というよりはレーベルが決めた事だよ。ただ、ベスト盤に収録される曲は、当然『HIMLABACKEN Vol.1』の曲になるわけだけど、バンドとしては『HIMLABACKEN Vol.1』と『HIMLABACKEN VOL.2』はセットという思いがある。だから、バンド側だけに選曲の権利があったとしたらまた違った内容になったとは思う。今回はレーベルからの選曲に僕らバンドが合意した形だね。でもベスト盤というのはレーベルが中心で作るものだから、これはこれで良いと思っているよ。

──欧州を色々なバンドとツアーされていますが、印象深いものはありますか?例えばイエスとのロイヤルアルバートホールなどは?

ポンタス:もちろん凄くシュールな体験だったよ。こんな事は夢にも思わなかったしそれが実現したんだ。

ヨハン:いつもは500人くらいのお客さんの前で演っているのが、ロイヤル・アルバート・ホールは5000人だからね。もちろん気持ちは同じだったけど。実は、イギリスからスウェーデンに帰る飛行機の中でポンタスのギターのネックが壊れてしまったんだ。トラスロットを自分で調整していたからネックが反ったかで折れてしまったらしい。シールドの接触が悪くて音に雑音が入ってしまったりしていたな。イエスにはひとりひとりにテクニシャンが付いているけど、僕らはそうじゃないからね。あとは…色々良かったバンドはいるけど、特にフランスのラズリってバンドがよかったな。『ロード・オブ・ザ・リング』から出てきたようなバンドでとても気に入った。

──来年には、プログレの祭典<Cruise To The Edge>への出演も決まりましたね。

ポンタス:<Cruise To The Edge>は、音楽から気候からそこに居る人々、スタッフ、全てが素晴らしいよ。

ヨハン:その環境でクルーズできて、その上に自分たちの音楽ができるなんて本当に凄い事さ。楽しみにしているよ。

──今後の予定は、やはりニューアルバムですよね?

ヨハン:ニューアルバムも出ていないのにこれだけ呼んでもらえる状況だからこそ、そろそろニューアルバムをね。

ポンタス:ニューアルバムの制作とヨーロッパツアーをやりたいな。

ヨハン:日本に来るといつもロックスターの気分を味わえる。スウェーデンは遠い国だけど、そんな遠い国に3回も来れたのは自分たちが音楽をやっていなければあり得ない事でね、音楽をやってて良かった。スウェーデンとは違う文化も味わえるしね。

サイモン:日本のクレイジーな部分が好きだよ(笑)。スウェーデンは少し退屈だし、日本のオープンでモダンなところがとても好きなんだ。ファンも素晴らしいし日本に住みたいくらいだよ。本当にありがとう。

ポンタス:日本のファンが大好きだ。まだ東京しか訪れてないけど、みんな良い人たちで素晴らしい国だね。

取材・文 Sweeet Rock / Aki
写真 Masayuki Noda

<Moon Safari 〜Symphonic Night Vol.1 〜>
2017年6月22日@Shibuya O-East
1.1987(新曲)
2.A Kid Called Panic
3.Emma Come on(新曲)
4.Southern Belle(アカペラ)
5.Heartland
6.Too Young to Say Goodbye
7.Diamonds
8.Beyond the Blue(アカペラ新曲)
〜Encore〜
9.Mega Moon
10.Constant Bloom