原一男や空族・相澤虎之助ら、カンヌ映画祭主演女優賞受賞作『ローサは密告された』に絶賛コメント

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 7月29日に公開されるフィリピン映画『ローサは密告された』に、映画監督の原一男、空族の相澤虎之助ら著名人が絶賛コメントを寄せた。

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 本作は、『マニラ・デイドリーム』のブリランテ・メンドーサ監督最新作となるフィリピン映画。マニラのスラム街で小さな雑貨店を家族で経営しながら、家計のため、少量の麻薬を扱っていたローサ夫婦は、ある密告から逮捕されてしまう。麻薬売人の密告要求、高額の保釈金など、恐喝まがいの要求をしてくる警察に、ローサたち家族は彼らなりのやり方で立ち向かう。

 このたびコメントを寄せたのは、『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督、『バンコクナイツ』の脚本家・相澤虎之助ら映画人をはじめ、放送プロデューサーのデーブ・スペクター、ジャーナリストの丸山ゴンザレス、作家の樋口毅宏ら各界の著名人。ローサ役のジャクリン・ホセが第69回カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した本作について、それぞれが熱いコメントを寄せている。

【著名人コメント一覧】

■デーブ・スペクター(放送プロデューサー)市民も警察もどちらも貧しく、モラルの線が見えない。そのジレンマがどう解決されるか最後まで目が離せなかった。タイムリーな題材でいて普遍的な「家族」がテーマのディープな映画。『ローサは密告された』を観るように友達に密告しました!

■室井佑月(作家)貧困に、腐敗した権力に、嫌な気持ちになった。しかし、絶望の中にも光はある。家族の絆という、ほんの些細なものだけど。

■丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)一気に見逃し料の話をする警察の雑さ、商店街のタバコ屋などで覚せい剤を扱っている感覚など、思わず「アレ知ってる!」と反応したくなる異様なリアリティがある。

■石井光太(作家)社会の底辺の人は、時として罪を背負わなければ生きていけない。法がそれを罰するものであれば、芸術はそんな人間を愛しむものであるべきだ。本映画は、芸術の役割を残酷に、かつ見事なまでに果たしている名作だ。

■石川直樹(写真家)助け、助けられる。チクり、チクられる。蜘蛛の巣のように張り巡らされた濃密な人間関係のなかで国や行政のルールではなく、自らの信念と欲望に忠実に生きる善良で邪悪な人々。混沌を混沌のまま描いた傑作としか言いようがない。

■相澤虎之助(空族/『バンコクナイツ』『サウダーヂ』脚本)この映画を観ている最中に鳴っていた曲はレゲエの「ポリスとコソ泥」だ。ローサたちの汗と涙はことごとく紙幣に変わり、そのことに想いを馳せる者は誰もいない。

■原一男(映画監督)フィリピン社会の持つ矛盾と腐敗、絶対的貧困。そして警察権力の賄賂の横行。そんな唾棄すべき世界の中で、そこでしか生きられない民衆に注ぐ映画人の優しい眼差し。この作品の最大の見所は、庶民を見つめる作り手の優しい眼差し、そのものである。

■小野正嗣(作家)信じられるのは家族だけ?降りしきる雨とともに画面を曇らせるのは、フィリピン現代社会の闇、生きようともがく家族の汗、 ストラグルそして彼らの奮闘を見つめる私たちの吐息。

■樋口毅宏(作家)麻薬、腐敗、暴力、極貧……這い上がることなど不可能な、天使が死んだ街。フィリピンの『ストレイト・アウタ・コンプトン』。タランティーノがぬるま湯に見える。

■ドナルド・サザーランド(俳優)超一流の演技だ!

■クエンティン・タランティーノ(映画監督)なんて大胆な映画だ!

■キルステン・ダンスト(俳優)ラストシーンに感動して涙がこぼれた。

■マッツ・ミケルセン(俳優)絶対的に美しい主演女優によるパフォーマンス!

■アルノー・デプレシャン(映画監督)誰もが納得の演技! 素晴らしく、強く心を動かされた。

(リアルサウンド編集部)