ルワンダ南東部ガハラの小さな製造所でゼラニウムオイルを抽出する男性。国立農業輸出開発局のデータによると、ルワンダは昨年、ゼラニウムやモリンガ、パチョリ、タゲテスなどのエッセンシャルオイルを約14トン輸出し、47万3,000ドルをもたらした(2017年4月28日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ルワンダ南東部の小屋の中でニコラス・ヒティマナ(Nicholas Hitimana)は緑の液体が入ったプラスチック製の容器を振っていた。入っているのは蒸留されたばかりのゼラニウムのエッセンシャルオイル。1キロあたり200ドル(約2万円)以上で輸出されている。

 ルワンダにおけるエッセンシャルオイルのパイオニアであるヒティマナは10年以上前、面積わずか260万ヘクタールの国で「高値の作物を発展させる必要性」に気づいた。農業はGDP(国内総生産)の約3割り近くを占め、人口の約8割が従事しているため、「耕作に適する土地はわずか」にしか残っていない。「もし我々が1ヘクタールの土地で豆を栽培したら、一年で2,000ドル(約22万円)の稼ぎになる。だがゼラニウムを栽培すると、収入は6,000から8,000ドル(約67万〜90万円)に達する」とヒティマナは言う。

 ヒティマナは、農業を多様化させ、輸出の価値を上昇させるというルワンダの野望を、儲けのいいエッセンシャルオイルのグローバル市場に乗り出すことによって具現化した。この目標を達成するためにヒティマナは2004年より南アフリカからゼラニウムを持ち込み始めた。当時、この花はほとんどルワンダで知られていなかったが、ヒティマナはエッセンシャルオイル部門における「大いなる可能性」を確信していた。

■1年に4度の収穫を可能にする気候

「南アフリカでは1年に2度しか収穫がない。しかしここには冬がないので、4度の収穫が可能になる」と自身の会社「Ikirezi Natural Products」を成長させ、多様化させているヒティマナは言う。25ヘクタールの農園ではゼラニウムのほかにパチョリやレモングラス、ユーカリなどから1000キロのエッセンシャルオイルが収穫される。これらのオイルはカナダや南アフリカ、アメリカに輸出され、香水産業で使用されている。会社では、70人の農業者を雇っている。

「はじめは彼らに生計の糧を捨てて商業的農業をするよう説得するのが難しかった」と言う。加えてこの植物は豆を育てるよりも正確性が必要だ。「時期どおりに植え付け、肥料を与え、土を耕し、灌漑し、収穫することが必要だ」。そうしなければ生産が「大幅に」減るリスクを生むのだとヒティマナは語る。たった1キロのオイルを生産するために600から1000キロのゼラニウムが必要となるからだ。

 数年を経て、雇用者たちは確信を抱いたようだ。「ここで働き始めてからブリキ屋根の家を建てることができたし、息子の学費など必要なものはすべて賄えるようになった」と55歳のステファニー ムクアマナ(Stephanie Mukamana)は忙しげにゼラニウム畑の雑草を取り除きながら話す。

 国立農業輸出開発局(National Agricultural Export Development Board)のデータによると、昨年ルワンダはゼラニウムやモリンガ、パチョリ、タゲテスなどのエッセンシャルオイルを約14トン輸出し、47万3,000ドル(約5296万円)をもたらした。ルワンダでは天然の殺虫剤でもある除虫菊も栽培中だ。

■さらに成長が期待されるマーケット

 インドを拠点とする「マーケット・リサーチ・フューチャー(Market Research Future、MRFR)」社によると、エッセンシャルオイルは化粧品や食べ物、製薬に使用するため裕福な国々での需要が高まっている。「MRFR」は2017年から2022年の間にエッセンシャルオイルの世界市場は7%成長すると予想している。ルワンダはそのシェアの取り分を獲得するため、3年前にこの地域で初となるエッセンシャルオイルの研究所をオープンし、品質管理をしている。

「ルワンダが直面している一番の課題は大きくなる貿易赤字と、局部的・国際的輸出基準に合う限られた数の競合社だ」と地域取引を促進し、研究プロジェクトの資金を支援する「トレードマーク・イースト・アフリカ(TradeMark East Africa)」のルワンダ局長、Patience Mutesiは指摘する。研究所は「ルワンダ産商品の品質への消費意欲を強めることにより、ルワンダの会社を新しい有益なマーケットに引き合わせるだろう」とMutesiは言う。

 キガリ(Kigali)の研究所で新しいクロマトグラムの前に座り、ルワンダ規格基準局(Rwanda Standards Authority)のAntoine Mukunziはこの小さな国の進展に満足していると話す。「輸出量ではかなわないが、品質で勝負することはできる」
【翻訳編集】AFPBB News